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『ゆっくり地獄山』 27KB 虐待 制裁 群れ ゲス ドスまりさ 自然界 虐待人間 15作目 anko3408 まりさのおしごと の設定を一部反映させております 男はいつものように、必要な物資を持って山へと足を踏み入れた。 重い荷物ではあるが、男の表情は喜色満面に輝いている。 季節は初夏。 緑鮮やかな山は、清々しい空気が充満していた。 梅雨さえ乗り切れば、何とかなるだろうな。などと男は考えながら歩く。 二十分も歩くと、そこへ辿り着いた。 男の足音を聞きつけたのだろう、そのゆっくりの群れたちは一斉に騒ぎ立て始めた。 人間が来たことへの恐怖ではない。 人間が来たことへの憎悪でもない。 「にんげんざん! にんげんざあああああああああああああん!」 「ごろじでぐだざい! れいぶだぢをごろじでぐだざい!」 「まりざだげでもおねがいじまず! ぐずのまりじゃをごろじでぐだざい!」 「おねがいじまずううううううううううううう!」 良い声だ。必死になって希望に縋るその様は、男をゆっくりとさせる。 一際大きな影……ドスまりさが、精一杯に体をうねうねさせて叫ぶ。 「にんげんざん! どずはぐずでず! どうじようもないぐずでず! だがら! だがら! どずをごろじでぐだざい! ぼうだえられまぜん! おねがい! おねがい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛でずがらあ゛あ゛!」 男は無言で、平たい岩の上に腰掛けると美味そうに冷たいお茶を飲み始めた。 冷やしたキュウリをポキンと折ってマヨネーズをつけて丸かじり、更におにぎりを もぐもぐとのみ込んでいく。 恨めしそうに、ゆっくりたちがそれを見つめている。 「うああ……おなが……おながずいだよお……」 「むーじゃむーじゃざぜでえ……ざぜでよお゛……」 「ぞんなのどう゛だっでいい……ごろじで……ごろじでえ゛……」 昼飯を食べ終わった男は、一匹一匹ゆっくりをチェックしていく。 一匹のありすが、苦悶と安堵の入り混じった表情で死んでいた。 男はそれを掴み、ドスまりさの元へと運んでいく。 ドスが絶望に満ちた表情を浮かべた。 「いやだ……いやでず……ぼねがい゛……もう゛……い゛や゛……」 男は無言でドスまりさの歯が一本もない口を開いて、強引に喉へと詰め込んでいく。 「おべええええ! ぼべ! おぐ……ぶぶぶ……! ぶび!」 餡子を吐き出そうとすると、男がそれをがっしりと押さえつけた。 漂う死臭、土とカスタードの入り混じった味、全てがゆっくりできない不快さだった。 他に死んだゆっくりはいないらしい。 安心して、男は一人一人に命の糧であるオレンジジュースを大量にスプレーして回る。 飲ませるのではない、あくまで降り注ぐだけだ。 この場合、ゆっくりは栄養を確保することはできるが空腹はほとんど満たされることがない。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっくち、ゆっくち、ゆっくち……ひひひひひ……ゆっくち、 ゆっくち、ゆっくぢ……!」 非ゆっくり症を発症したまりさに、ゆーくりーむを味わわせることなく無理矢理のみ込ませる。 発狂防止剤が中枢餡の機能を正常に戻させた。 「ゆ、ゆ……ゆぐ……ゆっく、り……」 男が満面の笑みで、そのまりさを見つめていた。 まりさは愕然とした表情で、ああああああ、と意味のない言葉を叫び続けた。 「ぼうずごじで! ぼうずごじでえいえんにゆっぐぢでぎだのに゛!」 他に非ゆっくり症を患いそうなゆっくりはいないようだ。 男は全員の頭をぽんぽんと軽く叩き、軽くなったリュックサックを背負った。 「まっで! まっでぐだざい! おねがいじまず! ごろじで! ごろじでぐだざい! ぼうゆっぐぢぢなぐでいいでず! なんでぼ! なんでぼじまずがらあ゛あ゛!」 ドスまりさの懇願に、男は一度も振り返ることなく――その場を立ち去った。 ゆっくりたちは追いかけない。 追いかけることができないのだ。 あんよを焼かれた訳ではない。 そもそもこの群れのゆっくりたちは皆――――――地面にあんよがついていないのだ。 『ゆっくり地獄山』 マンネリあき ドスまりさは、すっきりを解禁したことが正しかったのだと確信した。 先代ドスまりさの教えは間違っていたのだ。 だって、群れのゆっくりが作ったおちびちゃんたちは……こんなにゆっくりしているのだから! 「ゆっち、ゆっち、ゆっちぃ……」 「ゆゆ~ん! おちびちゃんはほんっとうにほんっとうにかわいいよおお!」 「ドス、ドスみてよ! おちびちゃんが、おちびちゃんがぴょんぴょんできるように なったんだよおおお!」 「ゆふふ。よかったね、れいむ!」 「ドス、ありすのおちびちゃんたちをみて!」 「ちょかいは!」 「どちゅ、ちょかいは!」 「ちょかいは~」 「ゆふん。ありすのおちびちゃんもほんとうにゆっくりしてるねっ!」 「ゆっくち、ちょかいは!」 群れのゆっくりたちが、次々とおちびちゃんを見せにやってくる。 その度に、ドスまりさのゆっくりは際限なく高まっていく。 「ゆふふ。ぱちゅりーがまちがっていたよ! やっぱりドスのやったことはただしかったんだね!」 すっきり制限を廃止すると幹部会議で告げたとき、真っ向から反対したぱちゅりーは、 彼女を慕う一部のゆっくりたちと共に、別の山へと旅立っていった。 彼女は相変わらず先代の教えを守り、すっきり制限をしているのだろう。 きっと、ゆっくりできていないんだろうな。 そんなことをドスまりさは考えた――が、ゆっくりしていないゆっくりのことを考えるのは ゆっくりできないと、目の前のおちびちゃんたちに意識を集中させた。 そもそも、先代は何故すっきりを制限したのだろう。 人間さんが怖いから、と言っていたような気がする。 ドスまりさも、人間についてはぼんやりとしか記憶がないが、大した大きさでもない癖に やけにゆっくりできてない存在だったことだけは覚えている。 ゆっくりできていない。 この世の全てはゆっくりのために存在すると考えるドスまりさには、それだけで生きる権利は ないと思うのだ。 群れの皆は、ゆっくりしている。 彼らの群れを脅かす敵は今のところ、存在しない。 群れを出て行ったぱちゅりーの代わりにサブリーダーに就任した『ぼせい』ゆたかなれいむが、 不安そうな表情でドスまりさに報告した。 「ドス、さいきん『かり』でとれるごはんさんがすくないよ! しょくりょうこのごはんさんも、 びちくぶんがなくなっているよ!」 「ゆゆ!? ど、どうして!?」 「れいむにはわからないよ! でも、ごはんさんがすくないとゆっくりできないよ!」 ヒント:おちびちゃんはたくさんごはんをたべる 「ゆぅ……そうだ! いいことおもいついたよ! にんげんにけんじょうしてもらえばいいんだよ!」 昔、先代ドスまりさに聞いた話である。 群れの食料が枯渇し、このままでは全滅もやむなしという状況に陥ったとき、人間が野菜を 差し出してくれたのだと。 先代ドスまりさは「だからにんげんさんには、かんしゃしなければいけないんだよ!」と 言っていたが、ゆっくりしていない人間がゆっくりに奉仕するのは当たり前である。 ドスはその後半部分は都合良く解釈して、「人間がゆっくりに野菜を与えた」という事実のみに 集中していた。 「ドス! にんげんって、あのゆっくりしてないいきものでしょ? そんなれんちゅうが、 ごはんさんをけんじょうしてくれるの?」 「だいじょうぶだよ! だって……ドスは、ドスなんだから!」 答えになってないのだが、歴代サブリーダーの中でトップクラスの餡子脳であるれいむには、 その言葉はさながら天啓のように響いたらしい。 れいむはキラキラした瞳でぴょんぴょんと飛び跳ねた。 「そうだね! ドスはドスなんだもん!」 「じゃあ、さっそくドスはいってくるよ! そのあいだは、れいむ! むれをまかせたよ!」 「わかったよ、ドス! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 ドスはその重い図体をぴょんぴょんと跳ねて、山を降りていった。 れいむは群れのゆっくりたちに、ドスが人間にご飯を献上させにいったことと、食料はこれで 大丈夫であることを通達した。 群れのゆっくりたちは大喜びで、「もうびちくしなくてもいいよね!」とばかりに、溜め込んで いた食料を貪り食った。 そして、二日が過ぎた。 「ゆう……ドス、おそいよお。きっと、にんげんがわがままをいっているんだね」 サブリーダーであるれいむもまた、人間に関しては遠い彼方の記憶しかない。 ただ、とてつもなく――ゆっくりできない存在だったことだけは覚えていた。 もう少しだけ頭が良くて、もう少しだけ記憶を餡子に留める努力をしていれば、きっと彼女は 理解しただろう。そして、ドスの暴挙を止めさせようとしたかもしれない。 だが、れいむはゆっくりがゆっくりすることこそが義務と信じるゆっくりである。 ……野生の群れでも、賢い群れや人間・動物たちと関わりを持つゆっくりの場合、 「世界はゆっくりできないことだっていっぱいある」という認識を持つことができる。 だからこそ、「にんげんさんもゆっくりしていってね!」と口にすることができるのだ。 皆でゆっくりすれば、きっとゆっくりできるようになる。そう信じて。 愚かな群れ、そして脅威が存在しなくなった群れは、この言葉の解釈が違う。 「ゆっくりしていってね」とは「自分たちゆっくりのために、ゆっくりさせてね」という 確認の意味合いを持つようになる。 動物も、人間も、「ゆっくり」という価値観が前提にあって行動すると考える。 そして、自分たち種族が「ゆっくり」という名前を持つ――つまりそれは、「ゆっくりしている 存在だからゆっくりなのだ」と思い込むようになる。 いつの世も、ある程度の知能を持って社会を構築した生物はそのような考えを持つらしい。 「○○人こそが、人類を導くに足る存在である。自分たちの人種以外の人間は、劣等人種である」 というように。 だが、ゆっくりと人間とで決定的に違うものが一つある。 答えは簡単、『暴』という名の力だ。 「れいむ! れいむー!」 慌てて飛び跳ねてきたありすを、れいむは厳しい表情でもみあげを叩いた。 「れいむじゃない! れいむはさぶりーだーなんだよ! さぶりーだーってちゃんとよべって いつもいってるでしょお!」 「ご、ごめんねさぶりーだー」 「まったく……で、どうしたの?」 「にんげんが、こっちにくるんだよ! どうしよう!」 「ゆゆ。おそかったね、きっとにんげんがごはんをけんっじょうしにきたんだよ!」 「ゆわあ……ほんとに!?」 「さぶりーだーがうそをつくはずないでしょお! れいむのところにつれてきなさい!」 「ゆっくりりかいしたよ、れい……『ギロリ』……さぶりーだー!」 やや頭の弱いありすは、ぴょんぴょんと飛び跳ねていった。 「まったく、さすがにんげんだけあってゆっくりしていないね! こんなにまたせるなんて!」 普通ゆっくりしている方が待たせると思うのだろうが、この場合基準はあくまでれいむにある。 れいむがゆっくりせずに待っていたのだから、相手がゆっくりしていないのだ。 やがてありすが、人間を案内してきた。 人間の数は一、二……たくさんだ。 れいむはドスがいるだろうと思っていたが、なぜか姿が見えなかった。 もう少し観察力があれば、二人の人間がえっさほいさと白いスーツに包まれた何かを担架で 運んでいることが分かったのだろうが……。 やがて、先頭に立って歩いていた白衣の人間がれいむの前に立った。 「ゆっくりしていってね、にんげん! ごはんさんをもってきてくれたんだね!」 「ごひゃん、ごひゃん!」 「ごはんさんをゆっくりちょうだいね! すぐでいいよ!」 「ゆっくち、ゆっくちぎょはん!」 「ゆわぁ……あまあましゃん、くれりゅの?」 れいむの言葉を聞きつけたのだろう、わらわらとゆっくりたちが人間の下へと集まってくる。 「クソ。やっぱり赤ゆが増えてやがる……」 白衣の男の隣にいた人間が、ぽつりと呟いた。 れいむが耳ざとく聞きつけ、心底呆れかえった表情で告げた。 「そこのにんげん! おちびちゃんがふえたからどうだっていうの! かわいいかわいいてんしのようなおちびちゃんがたっくさんいたら、とってもとってもゆっくり できるんだよ!? にんげんはそんなこともしらないんだね! むちはこわいよ!」 「げらげらげら! おちびちゃんがふえたらにんげんはゆっくりできなくなるんだぜ!? まさしくけっかんせいぶつっ、なのぜ!」 「とってもとかいはなおちびちゃんたちをみてゆっくりできないなんて、まさしくいなかものね!」 「むきゅ! ぱちゅはしってるわ! こういうせいぶつをかとうしゅ、とよぶのよ!」 「かちょうちゅ?」 「そうよ、おちびちゃん! いもむしみたいに、ゆっくりできないせいぶつのことよ!」 「ゆっち! にんげん、かとうちゅ!」 「かとうちゅ! かとうちゅ! にんげんはかとうちゅ!」 その場にいた人間の殺気が膨れ上がる中、白衣の男だけはニヤニヤと笑いながら応じる。 「さて、サブリーダーのれいむさん。先代のドスが決めた掟に、すっきりの制限がありましたね?」 「ゆ……?」 すっきりの制限。 確か――確か、そんなこともあった気がする、とれいむは思った。 「これを破って、沢山のおちびちゃんを作ったのはゆっくりできることなんですか? 先代のドスの教えを破って、ですよ?」 「ゆ……」 実は、ゆっくりとはそれなりに保守的である。 特にドスまりさが決めた掟は、余程のことがない限りは破られはしない。 ドスまりさに従っているだけで「ゆっくりできた」ことが記憶に残っているからだ。 ドスがいなくなった後、群れが比較的よく保たれているのはそのことが大きく関係している。 だから、掟を破るということはゆっくりできないことなのだ。 これをゆっくりの論理で乗り越えるためには、一つの儀式が必要だ。 それはこの山の持ち主――白衣の人間の隣に居た男にとって、境界線であった。 その線を踏み越えれば、『博士』の言う通りにしようと、男は決めていた。 れいむは餡子脳で考えに考え、結論を出した。 「ゆっくりわかったよ! せんだいのドスはね、げすだったんだよ!!」 れいむがドヤ顔で告げた瞬間、男は嘆息した。 博士が笑顔のまま、問い掛ける。 「ほう。先代のドスがゲスだったため、掟を作ったのですか」 「そうだよ! だっておちびちゃんはこんっなにゆっくりできるからね! ゆっくりできるおちびちゃんをにんっしんさせなかったドスは、とってもゲス だったんだよ! ゆふふ、れいむかしこくってごめんね!」 「そうか……せんだいはゲスだったんだぜ……」 調子よく合わせることしかしないまりさが、そう呟くと群れは一斉に先代ドスへの 不満を噴出させた。 そう。「とってもゆっくりできるおちびちゃん」を作らせなかった先代ドスは、 ゲスであり、そんなゲスの下にいた自分たちも当然ゆっくりできていなかっただろう。 そんな解釈が、餡子脳でなされてしまったのだ。 「むきゅきゅ! ぱちゅりーはまえから、せんだいドスはゆっくりさせてくれないと おもってたわ!」 「そうね! あのドスはとかいはじゃなかったわ! なんであんなドスがりーだーだったの かしら!」 「せんだい、げしゅ!」 「せんだいドスは、げしゅだったんだね!」 「ゆゆん! さすがおちびちゃんはかしこいね! そう、せんだいドスはドゲスだったんだよ! おちびちゃん、りかいしてね!」 「「ゆっくちりかいちたよ!」」 博士の笑みは、ますます深くなる。 男の拳は強く強く握り締められる。 だが、先代ドスを非難することに合理的な解釈を得たれいむは、気付くことがない。 「サブリーダーのれいむくん。最後の質問です、では今のドスはゆっくりしていますか?」 「ゆふふ、あたりまえでしょお!? くずのせんだいとちがって、いまのドスはとってもゆっくり してるんだよおお!?」 「ほう……例えば、怪我をしていたら?」 「ちょっといたいいたいさんになったくらいで、ドスがゆっくりしてないはずないでしょお!?」 「おさげが千切れていたり、髪の毛がむしり取られていたら?」 「…………………………………………………………ゆ?」 そのとき、初めてサブリーダーのれいむは博士の笑顔を見た。 笑顔を浮かべているはずなのに、中枢餡がゆっくりできないと警告を発していた。 「片目が抉り出されていたら? あざが残るくらいに、人間たちに殴られ、蹴られていたら? 肌を震動させて突き出てきたペニスを、カンナでガリガリ薄く薄く削られていったら? 歯を一本抜いて、その度に爪楊枝で歯茎に当たる部分を突き刺されてグリグリされていたら? ハンダゴテであにゃるとまむまむをじっくりじっくりはんだ付けされていたらどうします? それでも、ゆっくりしていると言えるんですか?」 「に、にんげん? なに……いって、るの……」 博士は笑顔のまま、パチンと指を鳴らした。 背後にいた男二人が頷き、シーツを捲って担架から『それ』を放り捨てた。 「ゆ゛……ゆるじで……ゆるじでぐだざい……いだいの……いやでず……」 全員が、転がって落ちた物体が現リーダーのドスまりさであることを理解するのに、 三分を要した。 「「「ゆあああああああああああああああああああああああああ!? な゛ん゛な゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」」」 「今言った通りのことをしてあげたドスですよ。あ、一つ言い忘れてました」 男が二人、ドスまりさを強引に立たせた。 が、そのあんよは地面に着くことがない。 あんよの部分から、頭の部分まで、太い木が突き刺さっているのだ。 「こうやって、樫の木で作った杭で体を貫通させてみました」 「どぼじで! どぼじでごんなごどおお!」 「……当たり前だろうが、このボケども」 「なにがあだりばえ………………ごびょおおお!?」 博士の隣にいた男が進み出て、れいむを勢いよく蹴り飛ばした。 岩壁に叩きつけられたれいむの口から、砕けた歯がポロポロと飛び散った。 「いだい! いだい! れいぶの! れいぶのはが!」 キラキラした真珠のような、あるいは青空の白い雲のように美しい自慢の歯が、 見事に砕け散っていた。 ちなみに、人間からすると「北陸の冬空並みに真っ黒な歯」という感じに見えたが。 全身を走り回る激痛のせいで、悶えて尻をぷりんぷりんとセクシーに動かす(少なくとも れいむだけはそう思っている)ことしかできない。 「ふざけろこの馬鹿。あのドスはなぁ……」 博士がまあまあ、と男を押しとどめる。 「とりあえず、まずはやることをやってからにしましょう」 そう言って、博士たちは運んできた荷物から……細いものから太いものまで、沢山の 杭を取り出した。 「ゆ……ゆゆ……?」 もしこのとき、ゆっくりしないで全力で逃げるということができれば、数が少ない人間は追い切れずにゆっくりできたかもしれない。 だが、ドスまりさはひたすら人間に謝罪し、サブリーダーは体の痛みに打ち震えている今、彼らに 指示する者は誰もいなかったのだ。 初動の遅さが、群れの運命を決めてしまった。 「それでは早速――てい」 博士が、ラムネスプレーを手当たり次第にかけまくった。 たちまちゆっくりたちの目がトロンとしたものに変わり、 「ゆっくりおやすみするよ!」 などと言って、ぐーぐーと眠り始めた。 「……おい、糞れいむ」 先ほど彼女を蹴った男が、自身の痛みを嘆くだけのれいむのもみあげを引っ張り上げた。 「ゆがあ!? やべろ! にんげんごどぎが!」 「うるせえ」 パン、と空いた手でれいむの頬を叩く。 「ひっ! いだい! どぼじでごんなごど……!」 「お前は最後だ。お前の群れの連中がどうなるか、最初から最後まで全部見届けろ」 群れの連中がどうなるか? れいむはもみあげの痛みに泣きながら、恐る恐る群れの仲間たちを見て――絶叫した。 「な、な、なにごれえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?」 れいむも、まりさも、ありすも、ぱちゅりーも、子ゆっくりも、赤ゆっくりも、皆が次々と 杭に突き刺されていた。 「ゆぅ……ゆぴー………………ぐびぇ!?」 呑気に眠っていたれいむが、そっと持ち上げられると杭にあんよから突き刺さった。 ゆっくり、慎重に――中枢餡を避けつつ、脳天まで杭を貫かせていく。 「いじゃい゛! やべで! やべでぐだざい!」 「やめ……やめでろ゛お゛! ぐぞにんげんっ!」 「お前さあ、さっき先代ドスのことゲスって言ったよな?」 「ぞれがどうじだあ゛あ゛!」 「こうなるから、先代のドスはすっきり制限をしていたんだぜ?」 「……………………ゆ゛あ゛あ゛!?」 「俺はな、この山の持ち主だ」 「なにいっでるの! ごのやまはゆっぐりの゛ゆっぐりぷれいず……ひべ!」 自分たちのゆっくりプレイスであると説得しようとした途端に、殴られた。 「黙って聞け。俺はな、この山にお前等を住まわせてやってるだけだ。 ゆっくりだって、生き物だ。俺は躍起になって排除しようとは思わなかった。 先代ドスは、賢かったしな。 すっきり制限にも同意したし、たまに俺のとこに助力を乞いにやってくるときもあった。 知ってるか? お前たちが怪我をすると、ドスが治してくれていただろ?」 それは、ゆっくりできることだから覚えていた。 ドスが持ってきた、あまあまの薬。「にんげんさんがくれたんだよ! みんな、 にんげんさんにかんしゃしてね!」と言っていた気もする。 「あれは、ドスが俺に頼んだんだよ。オレンジジュースを少しでいいから下さいってな。 毎回毎回誠心誠意頼み込むし、お礼も欠かさなかった。山菜や食用のキノコを 持ってきてくれたんだよ、あのドスはな」 「ドス……が……」 「あいつとはよく、茶を飲みつつまったり……ゆっくりしたさ。お前等みたいな頭が悪い連中を、 ゆっくりさせることに全力を費やす様は、出来の悪い子供を持った親みたいだった。 でもな、アイツはいつも笑っていたぜ? 群れのみんなと、そして人間さんともゆっくり できて、ドスは幸せだってな」 ぎり、ともみあげを更に強く引っ張る。 「ちぎ! ちぎれりゅ! やめで!」 「で、アイツが死んだときもお前等がちゃんと泣いていたから。だから、このまま そっとしてやろうと思ったさ。ところが、だ……お前さっき、なんつった? 先代のドスのことを、何て言ったんだよ、おい」 「ゆ……ど、どすは……」 「ゲスって言ったよなあ? アイツのことを、ゲス呼ばわりしたよなあ? 先代のやったことをすっかり忘れた、とかなら俺もまあ納得したさ。 お前らの記憶保持力は弱いからな。だが……お前たちは覚えていた上で、ゲス呼ばわりしたな、 あいつの苦労を忘れて、都合良い解釈だけをしたな。れいむ、それだけは、ゆっくりとして やっちゃいけないことだった」 男は、すっきり制限を解禁したことを先代ドスの教えが忘れられたのではないか、 と思ったのだ。 それならば、群れのゆっくりたちを適当に痛めつけて掟を教え込むだけで済んだ。 だが、こいつらはあのドスの教えを知っていた上で馬鹿にした。 ゲスと断定して、誤魔化そうとした。 それだけは、絶対に許さない。 絶叫が先ほどから鳴り止まない。 成体ゆっくりが全て杭に刺されると、次は子ゆっくりと赤ゆっくりの出番だ。 男の手が無造作に子ゆっくりを掴んだ。 「やめちぇね! まりしゃ、ゆっくちしたいんだじぇ! ぷーすぷーすさんは ゆっくちできないんだじぇ! やめちぇ、やめちぇ……いやじゃあああああああ!」 悲鳴をあげながら、子まりさが刺された。 「ゆっくちとかいは! ありしゅはゆっくりしたとかいはなゆっぐりなの! だがらにんげんざん、だずげでね! ありしゅだけはだずげでね!」 「……」 男は無言で、子ありすを慎重に竹串に刺していく。 「やべちぇえええええ! いじゃい! いじゃいよおおお!」 子ありすは涙を流して尻をもるんもるんと振る。 「かとうしゅのにんげんのくしぇに、なまいきだよ! れいみゅ、ぷくーするよぷくー! ぷくー……! ぷしゅるるる、やめじぇ! れいみゅのほっぺたつままにゃいで! ゆんやああああああああああああ! おとうしゃん! おかあしゃんだじゅげでえええ!」 ぷくー、をしていた子れいむも竹串に突き刺さった。 そして、とうとう赤ゆっくりたちの出番がやってきた。 サブリーダーであるれいむと、ドスまりさが絶叫する。 「やべであげでね! ゆっぐり゛やべであげで! あがじゃん! あがじゃんだげは ぶーずぶーずじないでね! おねがいじまずうううう!」 「どずがゆるざないよ゛! ゆっぐりじだ! がわい゛い゛おぢびじゃんをいじめる゛のだげは ぜっだいに…………」 男がミドルキックを、ドスの腹部に叩き込んだ。 「ひべぎゃあ!? ず、ずいまぜん! ずいまぜんでじだ! なまいぎいいまじだ! でぼ! おぢびじゃんだげば!」 「あっはっは。ドスまりさくん、それは駄目です。不公平でしょ? こういうことは、ちゃあんと 平等に、綺麗に、公平に、真っ当に、一切合切きちんとやらなくちゃね」 博士は笑いながらそう言って、器用に赤ゆっくりたちを細く長い針で突き刺していく。 「ゆっじゃああああ! いじゃいよおお! ゆんあー! ゆんあーーーー!」 そうして、三百匹はいた群れのゆっくりたちが、全て杭に突き刺さった。 中には、一本の杭にまとめて三匹突き刺さっているものもいる。 誤って中枢餡を刺し貫かれて一瞬でゆっくりした者もいたが、九割以上のゆっくりは、 まだ痙攣しながら生きていた。 「さあ、ドスまりさくん。これが貴方の選択の代償というやつです。 人間が貴方たちに食料を献上する? 先代が口を酸っぱくして教えていたことを、何一つ 学ばなかったんですねえ、君は。まあ、過酷な時代を生き抜いた世代と、安穏として暮らしていた 世代とでは、餡子の質が違いますか」 「ゆ……が……」 「でもまあ、安心してください。ここから先、僕たちはあなたたちに何も危害を加えませんよ。 それどころか、望み通りに食料を与えてもあげましょう。ただし、君たちはそこから一歩たりとも 動けませんけどね」 あはははは、と楽しそうに笑う博士を見つつ……ゆっくりたちは一斉に叫んだ。 「「「ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」」」 それから、二ヶ月が過ぎた。 雨が降れば、溶けてゆっくりできると思ったが甘かった。彼らはちゃんと、防水のビニールシート をその区域に被せていた。 最初の頃は、蟻に生きたまま食われる赤ゆっくりや子ゆっくりたちが続出した。 「やめるんだじぇ! ありじゃんはゆっくぢむこうにいくんだじぇ! やめじぇ、やめじぇ……ゆんやあああああ! まりちゃのあんこしゃんがだべられりゅうう!」 「おぢびじゃあああん! おぢびじゃああああああああん!」 山の持ち主はこれを防ぐため、防虫スプレーをゆっくりたちに掛けて回った。 「ぷしゅぷしゅさんはぐざいよ! ゆっぐりでぎないよ!」 そんなクレームは黙殺された。 非ゆっくり症に追い込まれたゆっくりがいた。 だが、彼らには非ゆっくり症を防止するためのゆーくりーむが与えられた。 それも、躾用として販売されている「無味」タイプのもので、あまあまの味すら期待できない。 ゆっくりたちは、老衰を別にすれば餡子が半分以上漏れるか吐き出さない限り死ぬことはない。 餡子を吐き出すようなゆっくりにはゆーくりーむで精神の安定が図られている今、ゆっくりたちは 死ぬことすらできずに、あんよから脳天まで突き刺さる強烈な痛みに悶え苦しみ続けた。 すーやすーや? すーりすーり? そんなことはもちろん不可能だ。 ある日。 子れいむが、とうとう我慢できずに泣き叫び始めた。 「おがあじゃん! おがあじゃん! いだいよ! いだいよ! しゅーりしゅーりしたいよ! しゅーりしゅーりしだいよ! ゆんやああああ! ゆんやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「おぢびじゃん! おぢびじゃん! まっででね! いま、そじらにいぐがらね! ゆ、ぎ…… ゆぎぎぎぎ……!」 ぶち、ぶち、ぶちぶちぶち! 耳障りな音を立てて、親れいむが杭から離れた。 「おぢびじゃん……いま……いぐがらね……」 「ゆっくりまってるよ! ゆっくり! ゆっくり!」 親れいむは、ボロボロの顔でにっこり笑っておちびちゃんの前に立って、すーりすーりしようと 顔を近づけた――が。 「ゆ……べ……」 「おかあ……しゃん?」 子れいむには見えていなかった。 親れいむの背中は、強引に杭から離れたせいで完全に引き裂かれていた。 そこから漏れた大量の餡子のせいで、彼女は永遠にゆっくりしてしまったのだ。 「おかあしゃん……しゅーりしゅーりしてね……しゅーりしゅーりだよ……おかあしゃん? おがあじゃん……おが……ゆ……あ……ゆんやああああああああああああああああああああああ!」 男はその死体を蹴り飛ばして、子れいむに告げた。 「お前が我が侭言わなければ、お前の母さんは死ななかったのにな」 「ぞんな……ぞんな……ぞんなあ゛あ゛!」 子れいむはあっという間に廃ゆっくりとなってしまった。 時折、竹串の痛みに震えながらぶつぶつと呟くだけだ。 ボロボロのドスが懇願する。 「ぼねがいじまず……ごろじでざぜでぐだざい……」 サブリーダーのれいむも涙を流しながらお願いする。 「れいむがまぢがっでまぢだ……せんだいどすは……ずごいゆっぐりでず……。 だがら……ぐずのれいぶだぢを……ごろじで……」 他のゆっくりたちも後に続く。 「おねがい……おねがいいいい……」 「もうやだあ……じにだい……じにだいよお……」 「づらい……づらい……いぎるのやだあ……ゆっぐりもじだぐない……もう、 じぬだげでいいんでず……」 もう、ゆっくりすることすらどうでもいい。 今の彼らには、ただ死ぬことだけが望みだった。 だが、男は告げる。 「駄目だ。お前たちが全滅すると、他の群れがやってくる。そうするとアレだ、 その……また一から人間との力関係を教えるのが、めんどくさい」 男はあっさりと、彼らの切なる望みを「面倒」の一言で切り捨てた。 「ぞんなあ゛……めんどぐざいっで、ぞんなあ゛……」 ドスまりさは理解していた。 これが「復讐」「制裁」「怒り」からやったものならば、まだいいのだ。 いつか怒りが頂点に達してトドメを刺してくれる、いつか怒りが和らいで許してくれる。 だが、面倒臭いというのは致命的だ。 面倒である限り、彼はとことんまで自分たちを生かし続けるだろう。 男は言う。 「梅雨どきはちゃんと、一人一人に防水加工をしてやる。れみりゃやふらんは追い払ってやる。 冬は、お前等が死なない程度に温かくするか、冬眠したくなるほどに寒がらせてやる。 お前ら、野生ゆっくりにしては幸運だぞ。年寄りになって死ぬまでゆっくりできるんだからな!」 男は笑う。ただひたすら、笑い続ける。 その笑いを聞きながら、ゆっくりたちは意識が遠のくのを感じていた。 ● ● ● ここは、ぱちゅりーが長を務める小さな群れ。 珍しいことに、今日は山から山へと旅をするゆっくりたちが客ゆっくりとして来訪していた。 広場に集まり、群れたちは旅ゆっくりたちの『えきさいてぃんぐ』な話に聞き入っていた。 「あんよからあたままで、ぷーすぷーすされてて……ずっとそこにいるんだぜ。 あのゆっくりできるはずのドスもなんだぜ!」 「わかるよー。ころして、ころしてってさけびつづけるんだよー! こわいよー!」 「ありすもきいたわ。にんげんさんにさからって、そんなばつをゆっくりえいきから あたえられたんですって!」 「れいむはえいきじゃなくて『はかせ』ってにんげんさんがやったってきいたことあるよ!」 「みょん! 『はかせ』はまっしろいしにがみだってきいたことあるみょん!」 話を聞く群れのゆっくりたちの表情は、恐怖のせいで青白くなっていた。 「ゆわあああ……きょわいよ……」 「ゆゆゆゆっぐりするんだぜ、おぢびじゃん……」 「まりさこわがりすぎだよ! ね、ねえ……おさ? こんなの、うぞだよね?」 「むきゅ。とにかく、こわいおはなしよね……」 (かれらのいう『はかせ』があの『はかせ』だとしたら……むきゅ。そうぞうもしたくないわね) ……旅ゆっくりたちの間で、伝説のように語られている話がある。 とてもゆっくりできそうな、とある山。 そこには、地獄に堕ちたゆっくりたちが姿を現すのだという。 「ころして、ころして、ころしてください」 と、彼らを監視する鬼に泣いて懇願するのだという。 だがしかし、鬼はその願いを聞き届けず。 そのゆっくりたちは、永遠に地獄の底で苦しむのだという――――。 <あとがき> 最初に群れから出て行ったぱちゅりーは、準レギュラーの彼女です バニラあき様、勝手ながら「ゆーくりーむ」の設定をお借りしました。 ありがとうございます。 感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1304613952/ 過去の作品 anko3216 愛するでいぶ anko3238 ゆ虐思考 anko3257 赤ゆ十連発(前編) anko3263 赤ゆ十連発(後編) anko3271 手を触れずに殺害せよ anko3274 子ゆっくりのゆん生が終わるまで anko3300 何もしない 赤ゆ編 anko3312 れうこくろりぐる anko3342 テンプレ的自滅シークエンス anko3358 くらくなるまでまってね! anko3368 ぷりぷりもるんもるん anko3428 子まりさと仲良し家族 anko3446 まりさ一家の転落ゆん生 anko3478 ぷーすぷーすぷーす! 挿絵:
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年がら年中ゆっくりを虐待している俺だが、たまには生産的なこともする。 「ゆっくりしていってね!」 目の前には、5匹の赤れいむ。 1週間前に、近所の森にいた茎を生やしたゆっくりから毟り取ってきたものだ。 親ゆっくりは引っこ抜くついでに生ゴミにしておいた。 「おう、お前ら行くぞ」 バスケットに5匹の赤れいむを入れて、俺は家を出た。 向かう先は近所の森。 そこにターゲットのゆっくりがいるのだ。 そのターゲットのためだけに、俺はこの赤れいむ5匹を育てた。 「ゆっくりー!」 見よ。このゆっくりした赤れいむを。 俺が必死こいて育て上げた、もとい調教した結果を。 ゆっくちなどと糞ガキ丸出しのセリフなど言わない。 ぷりぷりした体はやわらかく、弾力に富み、なめらかだ。 指で触れると、まるでパウダーでもまぶしているかのようにススーっと滑る。 瞳はキランキランに輝き、髪の毛は美しいキューティクルを・・・ と、まあ要するに超ゆっくりしてる。 近所のゆっくりパチュリーに見せたら、あまりのゆっくりっぷりに興奮したのか、クリームを吐き散らして死んだ。 エサは虫やら草なのだが、そこに各種サプリメントを振りかけまくったので舌が肥えることなくムッチリしたのだ。 「今日は、近所のおねーさんに会わせてやろう。社会見学ってヤツだな。いい子にするんだぞ?」 近所のおねーさんというのは、ターゲットであるゆっくり霊夢のこと。 成体で、6匹家族だ。 れいむと5匹の生後1週間の赤ゆっくり。 赤ゆっくりは全部まりさ種だ。 なぜなら今回のネタのために、俺が隙を見てれいむ種だけ皆殺しにした。 伴侶のまりさも邪魔だったので、狩りに出ていた時に生ゴミに出した。 そうこうしている間に、ターゲットの住む洞窟についた。 とりあえず定番のセリフでいこう。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ?ゆっくりしていってね!」 「ゆっきゅり!」 「ゆっくち!」 「ゆっくい!」 「ゆっくてぃ!」 「ゆっくぴ!」 1匹の親れいむと、5匹の糞カスみたいな赤まりさが返事に応えてくれた。 さっそく本題に入る。 「れいむよ、かくかくしかじかだ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 1行で理解してくれて助かる。 3日ほど俺の赤れいむを預かってほしいという話である。 話の途中で嫌な顔をしたが、赤れいむを見せたらすぐに笑顔になった。 野生の親れいむにとって、俺の赤れいむは最高にゆっくりしている存在だ。 つい一緒にゆっくりしたくなったのだろう。 夏なので腐るほど虫がいるので食糧にも困るまい。 「そんじゃ、3日後に引き取りにくるから」 「ゆっくりさよならだよ」 俺は赤れいむ5匹を巣に入れてから、家に帰った。 「おにいさんのおチビちゃんたち、れいむのおうちでゆっくりしていってね」 「ゆっくちちていっちぇね!」 「まりしゃとあしょびたかったらクッキーちょうだいにぇ!」!」 「まりしゃたちとゆっくちちたかったらごはんちょーらいね!」 「まりしゃのほうがゆっくちちてるね!」 「にんげんしゃんのごはんをちょーらいね!」 小汚い洞窟に残された赤れいむに、家族が歓迎を示す。 洞窟同様、薄汚い家族に赤れいむは気分が悪くなったが、男の躾がよかったのでそれには触れなかった。 「ゆっくりするね!」 「れいむおねーさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりおせわになるよ!」 「いっしょにゆっくりしようね!」 「ゆっくりしていってね!」 その言葉に、親れいむは「ゆっ」と声を上げた。 「ゆゆ。おチビちゃんたちは、もうおとなのことばがしゃべれるんだね!すごくゆっくりしてるよ!」 自分の子供、赤まりさはお子様な言葉遣いだというのに。 なんてゆっくりした赤ちゃんなのだろう。 親れいむは感動した。 そして、3日の社会見学が始まった。 それは親れいむにとっては感動の連続であった。 朝。 いつもは赤まりさを無理やり起こしていた。 きっと赤れいむもそうなるのだろう。 そう思っていたが、なんと赤れいむは親れいむよりも早く起床していた。 「ゆっくりおきたよ!」 なんとハツラツな笑顔だろう。 親れいむが大切にしている朝一番のすりすりは、赤れいむと行った。 「れいむもかりにいくよ!」 「おねーさんといっしょにいくよ!」 朝食後、そんなことを赤れいむは言った。 赤ゆっくりが狩りをするなど聞いた事もなかった親れいむは驚く。 「ゆ・・・!?おチビちゃんたちは、もうかりができるの?」 赤れいむは、生まれたときから狩りをさせられていた。 男の躾は凄まじく、狩りに出ると親れいむよりも多くの食糧を集めた。 あまりの素晴らしさに、親れいむは赤れいむにたっぷりぺーろぺろをしてあげた。 ちなみに5匹の赤まりさは巣穴で呑気に寝ていた。 帰り道、川に差し掛かると赤れいむはそこで立ち止まった。 「ゆ?どうしたの、おチビちゃん?」 「れいむ、すっきりするよ」 「れいむも!」 「すっきりはゆっくりできるよ」 「まいにちすっきりするんだよ!」 「すっきりしたいよ!」 言うが早いか、川の水で体を洗い始める赤れいむ5匹。 互いに髪をなめ合ったり、すりすりをして皮の汚れを落としている。 「す、すごいよ!!おチビちゃんはすごくゆっくりしてるよ!!」 ゆっくりにとって水浴びは大切なのだ。 耐性があるとはいえ、あまりにも汚いとカビだらけになるから。 だが、水に弱いゆっくりにとって水浴びはあまり好きになれないもの。 赤まりさは水浴びが大嫌いだった。 それなのに赤れいむは、こんなにも身ぎれいにすることを喜んでいる。 親れいむは赤まりさの気分の悪くなるような体臭を思い出していた。 「むーちゃむちゃ!ちゃーわせー!」 「うっめ!むっちゃうみぇ!!」 「むちゃべっ!むぢゃっ!ゆひっ!!」 「むっちゃむちゃ!!」 「うみぇっ!!むっちゃうみゅえ!!!」 「しあわせー」 「とってもゆっくりできるごはんだね」 「ゆっくりしておいしいね」 「れいむもしあわせー」 「みんなでごはんをたべるとゆっくりできるね」 「・・・ゆぅ」 3日目の夜。 晩飯をたべながら、親れいむは深く息を吐いた。 赤まりさの食べ方の汚いこと汚いこと。 元飼いゆっくりの親れいむには見苦しいことこの上ない。 ついつい甘やかして育ててしまったので、自己責任といえばそれで終わりなのだが。 それに比べてどうだ。 赤れいむの実にゆっくりとしたご飯の食べ方は。 親れいむは頭を抱えた。全身が頭なのは気にしてはいけない。 「ゆ、おチビちゃん。おくちにあんよがついてるよ。ぺーろぺろ」 親れいむは赤れいむの口についた、コガネムシの足の切れはしを舐めとった。 それを見た赤まりさが、悔しそうな顔をして親れいむに顔を向ける。 「おかーしゃん!!まりしゃもいっぱいついちぇるよ!!ぺーろぺろちてね!!」 「ゆっ!まりしゃもだよ!!」 「まりしゃにもぺーりょぺりょちてね!!」 「れーみゅにだけぺーろぺろはじゅるいよ!」 「はやくぺーろぺろちてよ!」 中には、エサの中にわざと顔を突っ込むボケもいた。 「ゆぅ・・・」 明日、お兄さんに赤れいむを引き渡したらこのゴミクズと暮らすのか。 そう思うだけで親れいむは空しくなった。 数日前まで、あんなに可愛いと思っていた赤まりさが今ではただの不良債権に感じる。 それを赤まりさもなんとなく感じているようで、最近では親れいむに甘えることが多い。 もっとも、それがウザさを強調して親れいむは更に赤まりさが嫌いになっていたのだ。 「ゆぅ・・・れいむは、おチビちゃんたちとはなれたくないよ・・・」 こんなにゆっくりした赤ちゃんと離れたくない。 自分と同じ種の、こんなにゆっくりした赤ちゃんと離れたくない。 親れいむは切実にそう思っていた。 赤まりさとだけの生活に戻りたくなかった。 伴侶が死んで、だいぶ経つ。 もう赤まりさへの最後の未練、死んだ伴侶の思い出もほとんど消えていた。 哀れ餡子脳。 翌日。 赤れいむの引き渡しは滞りなく行われた。 早朝に現れた男は、親れいむの話を聞きもせず、さっさか赤れいむを回収していった。 この赤れいむ達は、これからも似たような系統のネタの仕込みに利用されることになる。 「ゆぅ・・・・」 巣に残った親れいむはため息をついていた。 「ゆっ♪」 「ゆゆー!こりぇでおかーしゃんはまりしゃたちだけのものだよ!」 「これでゆっくちできりゅね!」 「ちゃーわせー!」 「ゆ♪」 逆に、親を赤れいむから奪い返した気分の赤まりさはニコニコだ。 すぐにこの笑顔が曇ることになるのだが。 さらに翌日。 赤まりさは枝でぶっ叩かれて起こされた。 「ゆっくりおきてね!!もうあさなんだよ!!」 「ゆげっ!!」 「ゆぐっ!?」 「ゆぎゅっ!?」 「ゆぎゅぅ・・・」 「ゆぎゃっ!!」 赤まりさが起きると、そこにはプリプリと怒った親れいむが。 びくびくしながら、赤まりさは親れいむの次のセリフを待った。 「あのおチビちゃんたちはちゃんとおきてたよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 テキトーに返事をする赤まりさ達。 あんないなくなった奴なんかどうでもいい。 赤まりさはそう思っていた。 それよりも重要なものがある。 朝一番のすりすりだ。 これはとてもゆっくりできる。 一日を生きる活力となるすりすりなのだ。 「おかーしゃん、まりしゃはんしぇいしたから、すーりすりをしてね!」 「まりしゃにもおねが 「うるさいよっ!おねぼうをするゆっくりできないこにはすーりすりはなしだよっ!!」 そして体当たりをされた。 ある意味、頬のふれあいである。 さらに数時間後。 親れいむは狩りの準備を始めた。 あれから何かと赤れいむと比較されっぱだった赤まりさは、ようやくゆっくりできそうだと喜んでいた。 が。 「れいむのおチビちゃん。きょうからはいっしょにかりにいくよ!」 赤まりさは一瞬、真白になった。 何を言っているんだコイツは、的な感じで。 「どぼじでしょんにゃこちょいうのおぉお!?」 「まりしゃはゆっぐちぢだいよぉお!!」 「あかぢゃんはゆっぐりずるのがじごどでじょおおぉお!?」 「ゆっぐりざぜでよぉお!!」 「ごんなんじゃゆっぐぢできにゃいよぉおお!!」 「だまってね!あのゆっくりしたほうのおチビちゃんたちは、ちゃーんとかりができたよ!」 ゆっくりしてない方のおチビちゃん5匹は泣きながら抗議をした。 自分達はまだゆっくりしなくちゃいけないのだと。 だがそれに返ってきたのは言葉ではなく、体当たりと枝だった。 「ゆべ・・・」 「ゆぼ・・・わがだよ・・・」 「がりに・・・いぎまぢゅ・・・・」 「・・・」 「・・・」 「まったく、ぜんぜんごはんがとれなかったね。ほんとうにゆっくりしてないおチビちゃんだよ!」 初狩りで、しかも赤ゆっくりが取れる食糧などたかがしれている。 5匹で集めた食糧は、小指の先ほどの量だった。 「それがおまえたちのごはんだよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「どぼじじぇ・・・」 「おがーじゃ・・・」 「もっど・・・ゆっぐぢ・・・」 「おにゃか・・・しゅいた・・・・」 「ごんなんじゃ・・・ゆっぐぢ・・・」 「ごはんのたべかたもきたないし、ちょうどよかったね!これでれいむはゆっくりできるよ!」 その後、赤まりさは無理やり水浴びをさせられた。 体力のなくなっていた3匹がそのまま川に流れていき、残り2匹はその後の体罰で死んだ。 「ゆゅー・・・」 親れいむは悩んでいた。 それは群れの赤ゆっくりが、全然ゆっくりしていないことだ。 バカ丸出しの言葉遣い、臭い体、狩りもできないタダメシ食らいのごく潰し、そんなダメなものばかり。 「こうなったら、みんなでしつけしようね!」 この前、赤れいむ5匹を群れのみんなに紹介したら、1匹残らず感動していた。 ならば、群れの子供達がゆっくりしていないことは簡単に理解できるだろう。 この群れをよりゆっくりした群れにするため・・・ れいむは固い意思と共に、リーダーの下へと跳ねて行った。 おわり。
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前 最初のうちは、傷のせいか味わった恐怖のためか、世話をされるゆっくり達は総じて大人しかった。 だが何もしなくても餌がもらえてゆっくりできるという状況に、だんだん調子に乗り始めてきた。 「まりさのごはんはやくもってきてね!」 「せなかがかゆいよ! はやくかいてね!」 などと、注文すらつけるゆっくりまで現れ始めた。 無論、充分に反省し、大人しいゆっくりもいたにはいたが、それもほんのわずかだ。 世話をするゆっくりの側もストレスが溜まり始めていた。 怪我をしたのは本人のせいなのに、まるで王様のように振る舞うゆっくり達を、表面では気遣う振りをしながらも陰では忌々しく思っていた。 加えて動けるゆっくりの数が減ったことで、群れ全体の食糧事情も芳しくなかった。 今はどうにか頑張って、依然とほぼ変わらぬ量の食物を用意できていたが、それもいつまで続くかわからない。 何より、全く働かないゆっくりと、危険を冒して餌を取ってきた自分達とが、同じ量しか食べられないというのは大いに不満であった。 それでも暴行に走ったり餌を抜いたりしなかったのは、同じ群れの仲間であるという意識がまだあったからだ。 何より、群れを取り仕切るリーダーれいむが、何も言わずにあのまりさの世話をしているのだから。 リーダーれいむに限らず、大人ゆっくりや良識あるゆっくりは、あのふてぶてしいまりさが嫌いだったのだ。 そのまりさを何より嫌っていたはずのれいむが、進んで世話をしているのだから、他のゆっくりは何も言えないでいた。 だが、一番ストレスを溜めていたのは、そのリーダーれいむ本人だった。 「……たべものをもってきたよ」 薄暗い木のうろに、れいむは取ってきた花や虫を運び込む。一人で住むにはやや広いここが、まりさの巣だった。 「ゆ! どこであぶらうってたんだぜ! おそいぜ!」 嘲りと苛立ちをないまぜにした笑い声に、れいむは唇を引き結んだ。 れいむがまりさの世話役を買って出たのは、同情や親愛といった気持ちからでは無論ない。 自分以外では、このまりさの相手をするのは耐えられないと判断したからだ。 他のゆっくりであればそのうち堪忍袋の尾が切れ、まりさを殺害するであろうことは容易に想像できた。 それは連鎖的に、他の動けないゆっくりを排斥していく運動に繋がるだろう。 そうなれば最早群れは崩壊するしかない。次はいつ自分が殺されるのか、という空気が仲間内に蔓延するだろう。 その事態だけはどうしても避けなければならなかった。 そしてまりさは、れいむのそんな思いを誰よりも理解していた。 「ふん! こんなりょうじゃまりささまはまんぞくできないんだぜ! もっとたくさんもってくるんだぜ!」 れいむの持ってきた餌を一瞥するなり、そう罵倒する。まるで動けないとは思えぬほどの厚かましさだった。 「みんなとおなじりょうのごはんだよ! ゆっくりがまんしてね!」 「いやだね!」 即答だった。 「どうして……どうしてそんなこというの!? けがしたのはまりさのせいでしょおおおお!?」 「けがにんはいたわるものだぜ! いたわれないれいむはひどいやつなんだぜ!」 「ゆっくりはんせいしないとごはんぬきだよ!」 「はいはいはんせいしてるはんせいしてる。だからさっさとえさもってくるんだぜ!」 ギリギリとれいむは歯噛みした。 どうして、どうしてそんなことを、平気な顔して言えるのか。お前のせいで、どれだけ自分が、仲間が苦労していると思っているのか。 れいむはまりさの驕りを理解できなかったし、したいとも思わない。 ただ許せない。そう思った。 「まりざがにんげんのところにいがなげれば、みんなけがじなかったのに……!」 れいむは搾り出すように叫んだ。 「まりざがにんげんのごはんをどっだりなんかじなければ……!」 「それはちがうぜ! まりささまがにんげんのところからたべものをうばったから、みんなゆっくりできてたんだぜ?」 「それはまりざとありずとれいむが、みんなのぶんまでごはんたべちゃうからでしょおおおお!?」 せせら笑うまりさに、れいむは激昂した。 「まりざがっ、みんなにぢゃんとごはんわけていればっ、みんないっじょにゆっぐりでぎだのにぃぃぃぃ!!!」 怒りに震えるれいむの顔は真っ赤だった。 だがそれをも、まりさは冷たくあしらう。 「ふふん、まりささまはそんじょそこらのまりさとはちがうんだぜ。たくさんごはんをたべるのはとうぜんのけんりなんだぜ! それに、まりさがいなかったら、れいむはむれをまとめられなかったはずなんだぜ!」 「……!」 確かに、その通りだった。 元々、この群れはれいむだけがリーダーをしていた。 当時は今の半分程度の群れであり、それでもれいむは群れをまとめるのに四苦八苦していた。 どんな集団にも問題児というものは現れる。そして、普通の者よりも世話が焼ける存在だ。 そこに現れたのがまりさだった。 元々人間に飼われていたというまりさは、しかし類稀な身体能力で、狩りにおいてはすぐに群れ一番の実力者になった。 一度など、単独でれみりゃを追い払ったほどである。 まだ若いゆっくり達は、そんな強いまりさに憧れ、自然と付き従うようになった。 それにより群れは活気に満ち溢れ、また外部からゆっくりを受け入れる余裕もでき、現在の大きさまで成長した。 時折素行の悪いゆっくりも入ってくるようになったが、そういった連中はまりさが元締めとなって仕切っていた。 現在取り巻きとなっているありすとれいむも、外からやってきてまりさについたゆっくりであった。 いつしか群れは、まりさを中心とする、若者や無謀なゆっくり達と、れいむを中心とする、年長や大人しいゆっくり達に二極化された。 この二つのグループが、ちょうどよい緊張感を保つことで、群れは現在まで成立してきたのだ。 その状態でまりさがいなくなっては、群れに大きな混乱が起きるのは確実だった。 それゆえに、れいむは今までまりさに強く口出しできなかったのだ。 「ゆっへっへ、りかいしたか? りかいしたらゆっくりはやく、ついかのえさをもってくるんだぜ! このまりささまになぁ!」 「このっ……!」 我慢できず、詰め寄ろうとしたれいむだったが、まりさは僅かに身を捻って身体全体で嘲弄した。 「いいのか? ここでまりさがこえをあげれば、どうなるかわかってるんだぜ? うごけないまりさといかりくるったれいむと……どっちがひがいしゃなのか、みんなにはんていしてもらうんだぜ」 「ゆぐぅぅぅぅぅぅぅぅ……ッ!!」 れいむは口惜しそうに呻くが、やがて自分を取り戻し、まりさに背を向けた。 「ごはんはみんなとおなじだからね! それいじょうはふえないよ!」 そして持ってきた餌をまりさの前に投げ出すと、去っていく。 「……チッ」 忌々しげにまりさは舌打ちした。 あのれいむのごうじょうにはまったくうんざりさせられるぜ。目の前の餌を貪りながらまりさは思った。 いっそのこと、まりさとしてはれいむが襲いかかってきても良かったのだ。 あのとき、巣の外から他のゆっくりがこちらを窺っていることは知っていた。恐らくれいむが心配だったのだろう。 その目の前で、れいむが自分に襲い掛かり、それを返り討ちにしてやれば、立派に正当防衛が成り立つ。 そうなれば、最早群れのリーダーはまりさのみだ。自分の邪魔をするものはいない。 返り討ちにできるだけの自信もあった。 足を焼かれ、頬を焼かれた今の状態でも、この群れのどのゆっくりが相手でも、負けないと自負していた。 群れの仲間は誰一人信じていないだろうが──まりさは、以前、人間を殺したことがあった。 殺したのは自分を飼っていた人間だった。 その男は自分に厳しい食事制限を設け、その上激しい運動までさせた。まりさは男が大嫌いだった。 だがそうやって躾けられているうちに、自分の力が見る見る伸びていくのが分かった。 そしてもう充分強くなったと判断したところで、背後から襲い掛かった。 男は倒れ、そして起き上がらなかった。 まりさは人間に勝ったのだ。 足を焼かれた今となっては、人間に勝つことは難しいだろうが、しかし同族程度に負ける気はしない。 れいむがいなくなっても、自分には頂点に返り咲けるだけの力がある。まりさはそう信じていた。 れいむが限界に達し、自分に襲い掛かるまで、そう長くはないだろう。 そのときこそ、自分が真に群れの主となるときなのだ。 「むきゅう、れいむ、だいじょうぶ?」 「へいきだよ、きにしなくていいよ、ぱちゅりー……」 仲間の気遣いに笑みを返すれいむだったが、自分でもちゃんと笑えているか自信がなかった。 明け方の広場には、動けないゆっくり達を除いた全てのゆっくりが集まっていた。 「みんなよくきいてね。……れいむは、にんげんのところにいってごはんをとってこようとおもうの」 「「「!!!!!!」」」 思いがけない言葉に、皆揃って驚愕した。 「れいむ! あなたなにいってるかわかってるの!? ばかなの!? にんげんのところになんかいったらころされちゃうわよ! それにそんなことしたら、まりさとおなじになっちゃうよ!」 ありすがぴょんぴょん飛び跳ねて抗議した。 ありすは、優しいれいむがそんなことを言うとは信じられなかったのだ。 「わかってるよ」 れいむは静かに答えた。強張った表情は、れいむが悩み、その上で決断したことを示していた。 れいむとて、あの腐れ饅頭と同じ立場に落ちるのは嫌だ。だが、そうしなければもはやこの群れは立ち行かない。 昨日でとうとう備蓄食料もなくなり、日の出ているうちに帰ってこれる範囲にある餌はあらかた取りつくしてしまった。 また、餌を取りにいったまま戻ってこなかったゆっくりが、今までに三匹出ている。 群れの崩壊も時間の問題であった。その前に、れいむは最後の賭けに出ようとしているのだ。 「……むきゅっ、しょうがないわね」 ぱちゅりーが一歩、れいむに歩み寄った。 「ひとりじゃごはんははこべないでしょ。わたしもついていくわ」 「ぱ、ぱちゅりーだけいいかっこしようったってそうはいかないわよ! ありすもいっしょにいくんだからね!」 ありすも名乗りを上げ、そして次々と仲間達も自分も行くと言い出した。 れいむは微笑んだ。久しぶりの、本当の笑顔だった。 「みんな、ありがとう! でもぜんぶはつれていけないよ! もしれいむたちがもどらなかったとき、むれをまもるひとをのこさなきゃいけないよ」 れいむは、自分と共に行くゆっくりをふるい分けた。 子供や母親は残され、年老いた者、子育てを終えた者、子を作れない者のみの七匹の決死隊が結成された。 「だめだよぉ! にんげんのところにいったらしぬっていったのれいむでしょおぉお!!??」 一匹だけ、強く反発する子ゆっくりがいた。群れの若いゆっくりの中で一番優しい子まりさだった。 「だいじょうぶだよ。ちゃんとかえってくるよ。 でも、もしれいむがかえってこれなかったら……まりさがみんなをささえてあげてね」 れいむは子まりさに、一度だけ優しく頬ずりをすると、仲間を伴って出立した。 そして最初のまりさ達と同じ罠にかかって捕まった。 「またか……」 慧音は憂鬱な溜息を漏らした。一応ついてきた妹紅などは、寝転がって干し芋を齧っている。 「はぁしかし、慧音様、それが今回はどうも事情が違っていて」 「ふむ、まぁ、確かに」 柵の中に入れられた七匹のゆっくりは、奇妙なほど大人しかった。 半分べそをかいているものもいるが、どれも待ち受ける運命を受け入れてしまっているように見える。 「お前達、自分が何をやっているのかわかっているのか?」 とりあえず、慧音はそう声をかけてみた。すると先頭にいたれいむが顔を上げる。 「ゆ、おねーさんがいちばんえらいひと?」 「……まぁ、この場ではそうなるが」 慧音は戸惑った。普通、ゆっくりは何か聞かれたら反射的に答えを返す。それをしないどころか、逆に問うてくるとは。 「ならおねがいがあるよ。れいむはどうなってもいいから、どうかみんなをたすけてあげてね!」 「! れいむ゛ぅぅぅぅ! どうじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉ!?!?」 「むっぎゅううん! だめよ、じこぎせいはただゆっくりとかなしみをひろげるだげなのおおおお!!!」 れいむの言葉をきっかけに、他のゆっくり達は一斉にわんわん泣き始めた。 「……一体全体、どうしたことだ」 今度こそ、慧音は頭を抱えたくなった。 れいむだけがただ静かに慧音を見上げていた。慧音はふと、訊いてみた。 「お前達は、この前ここにきたまりさ共の知り合いか?」 「ゆ? じゃあまりさたちのあしをやいたのもおねーさんなの?」 「……ああ、そうだ」 答えて、慧音は反応を待った。だがれいむは「そう」と答えただけで、激昂したりはしなかった。 「復讐しにきたものとでも思っていたが」 「しかたないよ。あれはまりさがわるかったよ。でも、まりさ、あやまらなかったでしょ?」 「ああ、最後までふてぶてしいやつだった」 「だったられいむがかわりにあやまるよ。ごめんなさい」 「連中はどうしてる?」 「みんなおうちでゆっくりしてるよ。れいむたちがごはんをとってきて、わけてあげてるよ」 「あんな連中、よく生かしておけるな。正直、私達が殺しておいたほうが良かったか?」 「ゆぅっ……でも、まりさはくそまんじゅうだけど、でも、それでもれいむたちのなかまだよ!」 最後の一言は自らに言い聞かすようではあったが、言葉に出来る程度には、その気持ちは確かにあるのだろう。 「……うぅむ」 慧音は悩んだ。農夫達も、こんなゆっくりは初めて見るのか、戸惑っている。 「しかし、お前達、私達の野菜を盗みにきたんだろう? こんなに徒党を組んでまで」 そう言うと、れいむははっとなって慧音のほうに近づいた。 「そうだよ! でもちがうよ! れいむがみんなをむりやりつれてきたの! いちばんわるいのはれいむだから、みんなはゆっくりにがしてあげてね!」 「ちがいまずぅぅぅぅぅ!!! ありずがわるいんでずっ!! ありずがれいぶをそそのかじだんでず!!」 「むっぎゅ! ぐろまぐはこのぱちゅりーさまなのよ! れいぶなんで、わたしのあやつ、あやづりにんぎょ……うあ゛あ゛ああああん!!」 またも始まる泣き声の大合唱。 耳を塞ぎながら、いよいよ慧音は対処に困った。 どうにも、このゆっくり達はゆっくりらしからぬ仲間思いの心の持ち主であるらしい。 いくらゆっくりとは言え、そのような者たちを無下に扱うのも気が引けた。 しかしどんな事情があろうと、野菜を盗みに来た以上、みすみす見逃すわけにも行かぬ。先日のまりさの仲間となれば尚更だ。 思い悩む慧音の肩に、ぽんと妹紅が手を置いた。 「どうした」 「うーん、この場、私に預けてくんないかなと思って」 妹紅の手には、先日も使った焼印があった。 慧音は少し悩み、 「ふむ、分かった。任せる」 「さんきゅー」 笑って答え、妹紅は手の平に炎を点し、それで焼印を炙っていく。 「ゆ!」 事態をいち早く察知したれいむが、皆を守るように前に出た。 「やめてね! みんなをいじめないでね! やるなられいむだけにして!」 「だめだ」 にべもなく妹紅は答えた。 「『悪いことをしたやつは痛い目にあう』。あのまりさ達を見たんなら、それは分かるだろう。 お前達は、悪いことをやろうとした。しかも悪いと分かっていた上でだ。 まぁ結果的には未遂だし、同情の余地もあるけど……それでも、けじめは必要だ。分かるか?」 「ゆっ……」 れいむは黙りこくった。妹紅の言い分を理解してしまったからだろう。 他のゆっくり達も、どこか神妙な雰囲気で、動きを止めた。恐怖から身を震わせてはいたが。 「じゃあ焼くぞ」 「ぶぎっ……!」 焼印が押し付けられ、れいむは迸りそうになった悲鳴を飲み込んだ。 ここで無様に助けを乞えば、自分達は本当にあのまりさ達と同じ、薄汚い泥棒になってしまうと思った。 他のゆっくりも、そんなれいむを見て、一言も漏らさずに耐え切った。 「んー、結構根性あるな」 全てのゆっくりに焼印を押し終えた妹紅は、焼印を置くと、れいむの前で身を屈めた。 「ゆ゛っ!」 れいむは恐怖から身を竦ませた。 あのまりさ達は、焼印と一緒に足も焼かれていた。自分達も同じ目に遭うのだ。 だが妹紅が口にした言葉は、ゆっくり達にとって思いがけないものだった。 「森の西側に岩場があるのを知っているか?」 「……ゆ?」 「お前達の住んでるところから、ちょうど太陽の沈む方向にある岩場だ。知ってるか?」 何故そんなことを今聞いてくるのか、れいむにはさっぱり分からなかったが、とりあえず答えた。 「ゆ! それならしってるよ! れみりゃがすんでてあぶないところだよ!」 「ああ、そうらしいな。まぁ私は近寄ったことないんだけど。 で、これも人から聞いた話でしかないんだが、その岩場を抜けたところに、また別の薄暗い森があるんだとさ。 日は当たらんしじめじめしてるが、食べ物は豊富だし、人も滅多に入ってこないし、危険な野生動物もいないんだって。 そこでなら、わざわざ人里を襲わなくても暮らしていけるんじゃないか?」 「ゆぅ……それ、ほんと?」 訝しげにれいむは妹紅を見た。妹紅は肩を竦めてみせる。 「さてね、私も行ったことはないからな。けどいい年した樵の話だし、そこそこ信憑性はあるだろ。 ま、お前達の足でも、朝早くから行けばれみりゃが目覚める前に岩場は抜けられるんじゃないか?」 「むっきゅ、でもわたしたちにはきずついたなかまが……」 「そんなことは知らんよ」 妹紅はゆっくりと立ち上がり、細めた目でれいむ達を見下ろした。 「お前達の、誰が旅立ち、誰が残り、誰を連れて行くのか。そんなことは、私の知ったことじゃあない。お前達が選ぶことだ」 そこまで言って、妹紅はひらひらと手を振った。 「さぁさぁ、もう帰りな。足は焼かないでおいてやるから。 ただ、次にその焼印つけたゆっくりを見かけたら殺すってところは変わらないからな。 もう里には来るな。それだけ理解したら、帰れ」 ゆっくり達はしばらく迷っていたようであったが、やがて一匹また一匹と、森のほうに跳ねていった。 最後にリーダーれいむが振り返り、何かを言った。聞き取れなかったが、その口の動きは「ありがとう」と言っているように見えた。 「見事な裁きであった」 慧音が嬉しそうに頷いた。妹紅は途端に気恥ずかしくなって、顔を赤くする。 「裁きだなんて、そんなこと軽々言ってたらあの閻魔様に怒られちまうよ。私はただやりたいようにやっただけだからさ」 「では良い判断だった、ということにしておこう。あのゆっくり達ならば、もう人里に来ることはあるまい。 ……それにしても、全てのゆっくりがああだったら、もっと私達もゆっくりできるのだがなぁ」 「いやまったく」 妹紅だけでなく、農夫達も一様に頷いた。 多分、全員の脳裏には、先日のあの憎たらしいまりさ達が浮かんでいることだろう。 「…………」 「けーね?」 「ん、いや、なんでもない。──それでは、撤収!」 その翌日から、森の中でゆっくりの姿を見かけることはなかった。 あとがき 長い。 前回(ゆっくり実験室・十面鬼編)があまりにもあれだったので、真面目に書こうとした結果がこれだよ! あと焼き土下座とか言いながら、焼いてるの最初だけだし。土下座してないし。 続きも早いうちに仕上げようと思います。長くなりすぎない程度に。 ゲスなまりさもきれいなまりさも、どれも良いものであります。 磨けば磨くほどに光る素材。それがまりさなのです、きっと。 今までに書いたもの ゆっくり実験室 ゆっくり実験室・十面鬼編 続く このSSに感想を付ける
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『ゆんやーマスク』 10KB 自業自得 家族崩壊 番い 群れ 赤ゆ れいぱー 現代 愛護人間 自滅以外の何者でもない ゆ虐スレをふと覗いてみたら タイガーマスクネタ作品生えてこないかのぅ とありましたので書き上げてみました。 虐待パートだけ読みたい方は ☆ の部分からお読みください。 どうしてみんなあんなに可愛らしいゆっくりを虐待したりするんだろう? ゆっくりはこんなに可愛らしくて癒してくれるのに。 あ、捕食種はだめだよ、可愛いゆっくりを食べちゃうからね。 昨日は森にいるゆっくりの群れが虐待鬼畏惨に壊滅させられたと聞くし、 一昨日は川原の群れがダムの一斉放水で全部流されてしまったらしい。 ゆっくりにとって生きづらい世の中をなんとかしてあげようとしても、 農林水産省の出している指針によれば野生のゆっくりに 餌付けなどをしてしまうと人間との境界線が曖昧になり、 近隣の農家や子どもに迷惑がかかり、結果として一斉駆除が行われるため、 本当にゆっくりのことを好きならやめたほうがいいとのことらしく、 ゆっくりの群れに対して支援を行うこともままならない。 ところが、ある日テレビを見ていると良いニュースが流れていた。 なんでもプロレス漫画「ゆんやーマスク」の主人公「愛出直人」などを名乗り、 児童養護施設などにランドセルや文房具を匿名で寄贈するという 微笑ましい事件が起きているそうだ。 これに私はピンときた。 直接ゆっくりと関わって人間との境界線が曖昧になることがいけないならば、 こっそり群れに侵入して支援をしてあげればよかったのだ! こんな美味しいネタがあるのに行動に起こさねば愛でお兄さんの名がすたると思った僕は 最近近所の森に住み着いたぱちゅりーが長の群れにこっそりと支援を行うことにした。 「そろ~りそろ~り」 今僕は近所の森に住み着いた群れの近くまでやってきている。 そろ~りそろ~りと口に出しているのは、なんでもゆっくりたちは 此の様にしゃべりながら移動することでステルス作用が発生して、目に見えなくなるそうなんだ。 こないだ路地裏にいた野良まりさに教えてもらったからきっと間違いないんだろう。 現に今 けっかいっ のスキマからゆっくりの家族をのぞき見してるけど、 全く気づかれてないで眠りこけている。 どのおうちを覗いてみてもゆっくりたちは眠りこけているので、 今のうちに僕が考えた最強の支援を施してしまうことにした。 それは、ゆっくりが乗るとオレンジジュースが出てくる簡単な機械と、 同じく乗るとれみりゃとかふらんも逃げ出す唐辛子スプレーの原液を噴射する装置。 この二つを偽装して、いかにも自然の中にある道具に仕立て上げることなんだ。 バイト先で 「愛出先輩ってマジ手先器用っすねwwwwwww尊敬するっすよwwww」 って言われる僕なので、あっという間に作業は完了する。 パッと見ではどちらも樹の根元にあるだけにしか見えないが、 これも野良まりさに教えてもらったけっかいっの理論が応用されてるために、 ゆっくりからは自然にあるものにしか見えないはずだ! 群れのおさをするくらいのぱちゅりーなら、 きっとこの装置の使い方をすぐに理解できるに違いない!!! こうして一仕事終えた僕は心地よい疲労とともに帰路につき れいむ印のお布団を頭までかぶってひと眠りすることにした。 ☆ ここより自滅パート ここは愛でおにいさんがゆっくりレベルの偽装が施された装置が設置された群れ。 もっともゆっくりレベルであるという事はゆっくりにとっては見つけられないというわけなのだが。 ゆっくりにしては珍しく、太陽が真上にくる前に目覚めてきたゆっくり共が 広場として使われている部分に集合していた。 「むっきゅ、みんな、あさのじかんよ!!」 「ゆっくりおきるよ!!!おさ、ゆっくりしていってね!!!」 「むきゅ、きょうはれいむもはやおきね、 きのうけがしたおちびちゃんのぐあいはだいじょうぶなの?」 「ゆうん・・・それがあまりよくないんだよ、まりさもきのうがんばりすぎて きょうはうごけないっていってるし、だからきょうはまりさのかわりにはやおきして からだにいいものをあつめることにしたんだよ!!!」 「れいむはほんとうにぼせいがゆたかなゆっくりね、 むれのおさとしてむはながたかいわ!!」 「ゆゆーん//てれちゃうよ!!! じゃあれいむはゆっくりいそいでからだにいいものをさがしにいくよ!!!」 ド饅頭たちがドグされたママごとのような会話をがしながら、 今日の狩り(笑)に出発するらしい。しかしゆっくりは本来脆弱なド饅頭であり、 慣れないことをするとすぐに皮に傷が入ったりしてしまう。 「それじゃあれいむはいろんなものをさがしにいくよ!!! ぴょーんぴょーんぴょおおおおおおおぉおぉ!!!!!??」 脳みその腐りそうな会話をしていたバチがあたったのか、 最初の一歩でこのれいむは尖った石を踏んでしまったらしい。 「れいむのなまめかしいってまりさがほめてくれるすべすべのあんよさんがぁぁあああ!!!」 しかもゆっくりは痛みに弱い饅頭であり、少しの痛みで泣き叫び、 転げまわる習性を持っているため、その転げまわる過程において かわいいおちびちゃん(笑)を轢き潰してしまったり、 余計に傷を増やしてしまう愚かさを持っているのだ。 本当に動く被虐饅頭とはよく言ったものである。 「ゆべえええええ!!!いぢゃああいいいいい!!!あんよがいぢゃあああゆべら!?」 明らかにぴょんぴょんはねるより早い速さで転げまわっていたれいむは、 全身を擦り傷だらけにしながら近くの木にぶつかった。 「でいぶのほうせきのようにかがやくおがおがあああ!!! いぢゃあああああああああまあまさんのあじがするよ!!!」 その時このれいむにとって最初で最後の奇跡が起きた、 愛でお兄さんが無駄にステルスをしていたおかげで、このままでは 一生発見されなかったであろう装置があるところにれいむが直撃したのである。 「れいむ、うまれかわったみたい!!!かわいくってごめんねー☆」 「れいむっ!だいじょうぶなの!?あんよさんをけがしたみたいだけど・・」 「ゆゆっ、そういえばもうあんよさんいたくないよ!!! れいむがかわいすぎるからかみさまがあまあまをくれたんだね!!!」 「むきゅ、それはないとおもうけど、あまあまさんはここからでてきたのかしら?」 さすがはもりけんぱちゅりーなのか、 それともれいむがぶつかったことで偽装がすこしとけたのか、 ぱちゅりーは早速この仕組を解いたらしい。 「むきゅ!ここにけがをしたおちびちゃんをつれてくるのよ!!」 「さすがはもりのけんじゃぱちゅりーだね!!!さっそくおちびちゃんをつれてくるよ!!!」 しばし後おちびちゃんを帽子にのせたまりさと、さっきのれいむがもどってくる。 「ほんとうにこんなとこでおちびちゃんのけががなおるのぜ?」 「ほんとうだよ!!!さっきれいむもあんよをけがしちゃったんだけどいっしゅんでなおったんだよ!!!」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・いじゃいよぉ・・・・」 「まりさ!おちびちゃんがいたがってるんだよ!!はやくそこにおいてあげてね!!!」 「せにはらはかえられないのぜ・・・ここでいいのかぜ?」 まりさはずりずりと移動し、樹の根元にたどり着いた。 そうすると、どこからともなくオレンジジュースが流れ出て、まりさにふりかかった 「ゆううう!!!とけるうう!!!!よぐもだまぢでぐれだのぜれいむうううう!!! あやまってもゆるしてあまあまのあじがするよ!!!」 「ゆっきゅちー!!!!」 「ゆゆっ?おちびがげんきになったのかだぜ!?」 「ゆわ~い!!!おちびちゃんのけががなおったよおおお!!」 こうしてれいむ一家のかわいいおちびちゃん(笑)は怪我が完治して事なきを得た。 このニュースはむれをかけめぐり、神様が贈り物をしてくれたのだという話になっていた。 こうしてゆっくりたちは致命的な怪我をしても瞬時にして回復することができるようになったのだ。 しかしゆっくりはどこまでいってもド饅頭である。 ものの1時間もたつと群れの中でもゲス基質のある饅頭たちが、装置の周りにたむろしだした 「ここはまりささまのゆっくりぷれいすなのぜ!!!せいめいのみずがほしければあまあまをもってくるんだぜ!!!」 まず自称群れでさいっきょうっのまりさがここでおうち宣言を行った。 最も生命の水ことオレンジジュースは個別のゆっくりだけではなく 群れとして必須の物なのであっというまにせいっさいっされたのだが。 「どぼぢでばりざざまがこんなめに・・・」 次に起きたのはしんぐるまざーによるぷれいすの占領である。 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!!!だからここでおちびちゃんたちをそだてるんだよ!!!」 「「「おきゃあしゃんはちょっちぇもゆっきゅりしちぇりゅにぇ!!!」」」 余計なことには無駄に頭が回るのか、既に茄子型になっている赤ゆを 次から次へと入れ替えて生命の水(笑)を飲みまくっていった。 その結果あっという間に装置の中に入っていたオレンジジュースは尽きてしまい 群れ総出によるせいっさいっの結果しんぐるまざー一家の命運も尽きる結果となった。 「しんぐるまざーせんげんしたけっかがこれだよ!!!」 「「「もっちょゆっきゅりしちゃかっちゃ・・・」」」 一方最初に装置を発見したれいむは群れの英ゆんとなっていた。 実際のところ棚ぼた以外の何者でもないのだが、そこはさすがの餡子脳である。 最も、わりとこのれいむは餡子脳な事以外は善良な個体であったようで、 つけあがることなく、また神様からの贈り物がもらえないかと日々森の中を散策しているのだった。 「ゆゆ~ん、かみさまにみとめられたかわいいれいむはきょうもおくりものをさがしにいくよ!!!」 実際のところゆっくりに神様はいるのだろうか、少なくとも邪神はいるように思われる。 それをれいむが身を持って肯定する結果となった。 プシャアアアアア 「ゆっ・・・・・・・っぎゃあああああああああああああああ!!!! れいむのぷるぷるしたおべべがああああ!!!あぢゅいぢゃあああああ!!! きゃりゃいいい!!!!!これどくはいってるうううう!!!!!」 ゆっくり並の器用さを持つお兄さんは、オレンジジュースの装置と同じように下に来たゆっくりに対して 唐辛子スプレーが噴射されるように装置を偽装セッティングしていてしまったのだ。 「でいぶのおべべがああああ!!!なにもみえないいい!!!!!おはだがいだいいいい!!!」 その場で転げまわることによって全身にくまなく唐辛子スプレーを浴びてしまうれいむ そのままれいむはゆっくりにあるまじき速さで転げまわり、あたり一面に唐辛子を撒き散らし始めた ああどうしたことか、つい昨日までゆっくりの楽園だった森が 撒き散らされる唐辛子スプレーのおかげで大喜劇である。 「ゆっぺええぇぇえ!?おべべがいだいいいい!!!?」 「ゆんやあぁぁぁ!!!こっちこにゃいでえええ!!ちゅびゅれびゅべっ」 「ぱちゅりーのむれが・・・エレエレエレ」 「ゆっへっへっ、やっぱりあのれいむはくずなのぜ! まりささまはいまのうちにたべものをはいしゃくしてすたこらするのぜ」ぷりんっぷりんっ 「んほおおお!!!まりさったらさそってるのねえええ!!!」 「やべちぇえええええええ!?」 「らんしゃまああああ!?」 撒き散らされる唐辛子によって目が潰れてしまう親れいむ その転げまわる親に踏み潰される赤ゆ その参上を見てエレエレするぱちゅりー ここぞとばかりにれいむを見捨てて火事場泥棒をしようとする英ゆんれいむの夫のまりさ そのまりさの尻に欲情してレイパーになるありす 本能に従い叫び声を上げるだけのちぇん 虐待鬼畏惨がみたならば垂涎物の光景がそこにはあった。 英ゆん(笑)のれいむが「もっとゆっくりしたかった・・・」と力尽きる頃には 群れの中でまともに動くことの出来るゆっくりはほとんどいなくなっており、 残されたゆっくりはこの森をのろわれたちと呼び、長のぱちゅりー(生きてた)を置いて逃げ出した。 「むきゅ・・・どぼぢで・・・ごんなごどに・・・」 んー☆良く寝た そういえば先週に贈り物をした群れは元気でやってるかなぁ? でもまた行って見つかったら悲しいし、今度は別の群れに贈り物をしに行こう! きっとあの群れも今頃は幸せそうに暮らしているんだろうなぁ! 過去作など anko1811 ゆあつそうち anko1817 ゆっくりの甘さについて anko1865 ゆランス料理フルコース(前半) anko2701 ゆランス料理フルコース(後半) anko2805 こんにゃくなんとか anko2811 ゆんはん anko2818 とうしつ anko2839 石焼ゆっくり さくっと書こうとしていたのにどうしてこうなった。 悲しみのサイドチェストを行うしか無い。 汚あき
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年がら年中ゆっくりを虐待している俺だが、たまには生産的なこともする。 「ゆっくりしていってね!」 目の前には、5匹の赤れいむ。 1週間前に、近所の森にいた茎を生やしたゆっくりから毟り取ってきたものだ。 親ゆっくりは引っこ抜くついでに生ゴミにしておいた。 「おう、お前ら行くぞ」 バスケットに5匹の赤れいむを入れて、俺は家を出た。 向かう先は近所の森。 そこにターゲットのゆっくりがいるのだ。 そのターゲットのためだけに、俺はこの赤れいむ5匹を育てた。 「ゆっくりー!」 見よ。このゆっくりした赤れいむを。 俺が必死こいて育て上げた、もとい調教した結果を。 ゆっくちなどと糞ガキ丸出しのセリフなど言わない。 ぷりぷりした体はやわらかく、弾力に富み、なめらかだ。 指で触れると、まるでパウダーでもまぶしているかのようにススーっと滑る。 瞳はキランキランに輝き、髪の毛は美しいキューティクルを・・・ と、まあ要するに超ゆっくりしてる。 近所のゆっくりパチュリーに見せたら、あまりのゆっくりっぷりに興奮したのか、クリームを吐き散らして死んだ。 エサは虫やら草なのだが、そこに各種サプリメントを振りかけまくったので舌が肥えることなくムッチリしたのだ。 「今日は、近所のおねーさんに会わせてやろう。社会見学ってヤツだな。いい子にするんだぞ?」 近所のおねーさんというのは、ターゲットであるゆっくり霊夢のこと。 成体で、6匹家族だ。 れいむと5匹の生後1週間の赤ゆっくり。 赤ゆっくりは全部まりさ種だ。 なぜなら今回のネタのために、俺が隙を見てれいむ種だけ皆殺しにした。 伴侶のまりさも邪魔だったので、狩りに出ていた時に生ゴミに出した。 そうこうしている間に、ターゲットの住む洞窟についた。 とりあえず定番のセリフでいこう。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ?ゆっくりしていってね!」 「ゆっきゅり!」 「ゆっくち!」 「ゆっくい!」 「ゆっくてぃ!」 「ゆっくぴ!」 1匹の親れいむと、5匹の糞カスみたいな赤まりさが返事に応えてくれた。 さっそく本題に入る。 「れいむよ、かくかくしかじかだ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 1行で理解してくれて助かる。 3日ほど俺の赤れいむを預かってほしいという話である。 話の途中で嫌な顔をしたが、赤れいむを見せたらすぐに笑顔になった。 野生の親れいむにとって、俺の赤れいむは最高にゆっくりしている存在だ。 つい一緒にゆっくりしたくなったのだろう。 夏なので腐るほど虫がいるので食糧にも困るまい。 「そんじゃ、3日後に引き取りにくるから」 「ゆっくりさよならだよ」 俺は赤れいむ5匹を巣に入れてから、家に帰った。 「おにいさんのおチビちゃんたち、れいむのおうちでゆっくりしていってね」 「ゆっくちちていっちぇね!」 「まりしゃとあしょびたかったらクッキーちょうだいにぇ!」!」 「まりしゃたちとゆっくちちたかったらごはんちょーらいね!」 「まりしゃのほうがゆっくちちてるね!」 「にんげんしゃんのごはんをちょーらいね!」 小汚い洞窟に残された赤れいむに、家族が歓迎を示す。 洞窟同様、薄汚い家族に赤れいむは気分が悪くなったが、男の躾がよかったのでそれには触れなかった。 「ゆっくりするね!」 「れいむおねーさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりおせわになるよ!」 「いっしょにゆっくりしようね!」 「ゆっくりしていってね!」 その言葉に、親れいむは「ゆっ」と声を上げた。 「ゆゆ。おチビちゃんたちは、もうおとなのことばがしゃべれるんだね!すごくゆっくりしてるよ!」 自分の子供、赤まりさはお子様な言葉遣いだというのに。 なんてゆっくりした赤ちゃんなのだろう。 親れいむは感動した。 そして、3日の社会見学が始まった。 それは親れいむにとっては感動の連続であった。 朝。 いつもは赤まりさを無理やり起こしていた。 きっと赤れいむもそうなるのだろう。 そう思っていたが、なんと赤れいむは親れいむよりも早く起床していた。 「ゆっくりおきたよ!」 なんとハツラツな笑顔だろう。 親れいむが大切にしている朝一番のすりすりは、赤れいむと行った。 「れいむもかりにいくよ!」 「おねーさんといっしょにいくよ!」 朝食後、そんなことを赤れいむは言った。 赤ゆっくりが狩りをするなど聞いた事もなかった親れいむは驚く。 「ゆ・・・!?おチビちゃんたちは、もうかりができるの?」 赤れいむは、生まれたときから狩りをさせられていた。 男の躾は凄まじく、狩りに出ると親れいむよりも多くの食糧を集めた。 あまりの素晴らしさに、親れいむは赤れいむにたっぷりぺーろぺろをしてあげた。 ちなみに5匹の赤まりさは巣穴で呑気に寝ていた。 帰り道、川に差し掛かると赤れいむはそこで立ち止まった。 「ゆ?どうしたの、おチビちゃん?」 「れいむ、すっきりするよ」 「れいむも!」 「すっきりはゆっくりできるよ」 「まいにちすっきりするんだよ!」 「すっきりしたいよ!」 言うが早いか、川の水で体を洗い始める赤れいむ5匹。 互いに髪をなめ合ったり、すりすりをして皮の汚れを落としている。 「す、すごいよ!!おチビちゃんはすごくゆっくりしてるよ!!」 ゆっくりにとって水浴びは大切なのだ。 耐性があるとはいえ、あまりにも汚いとカビだらけになるから。 だが、水に弱いゆっくりにとって水浴びはあまり好きになれないもの。 赤まりさは水浴びが大嫌いだった。 それなのに赤れいむは、こんなにも身ぎれいにすることを喜んでいる。 親れいむは赤まりさの気分の悪くなるような体臭を思い出していた。 「むーちゃむちゃ!ちゃーわせー!」 「うっめ!むっちゃうみぇ!!」 「むちゃべっ!むぢゃっ!ゆひっ!!」 「むっちゃむちゃ!!」 「うみぇっ!!むっちゃうみゅえ!!!」 「しあわせー」 「とってもゆっくりできるごはんだね」 「ゆっくりしておいしいね」 「れいむもしあわせー」 「みんなでごはんをたべるとゆっくりできるね」 「・・・ゆぅ」 3日目の夜。 晩飯をたべながら、親れいむは深く息を吐いた。 赤まりさの食べ方の汚いこと汚いこと。 元飼いゆっくりの親れいむには見苦しいことこの上ない。 ついつい甘やかして育ててしまったので、自己責任といえばそれで終わりなのだが。 それに比べてどうだ。 赤れいむの実にゆっくりとしたご飯の食べ方は。 親れいむは頭を抱えた。全身が頭なのは気にしてはいけない。 「ゆ、おチビちゃん。おくちにあんよがついてるよ。ぺーろぺろ」 親れいむは赤れいむの口についた、コガネムシの足の切れはしを舐めとった。 それを見た赤まりさが、悔しそうな顔をして親れいむに顔を向ける。 「おかーしゃん!!まりしゃもいっぱいついちぇるよ!!ぺーろぺろちてね!!」 「ゆっ!まりしゃもだよ!!」 「まりしゃにもぺーりょぺりょちてね!!」 「れーみゅにだけぺーろぺろはじゅるいよ!」 「はやくぺーろぺろちてよ!」 中には、エサの中にわざと顔を突っ込むボケもいた。 「ゆぅ・・・」 明日、お兄さんに赤れいむを引き渡したらこのゴミクズと暮らすのか。 そう思うだけで親れいむは空しくなった。 数日前まで、あんなに可愛いと思っていた赤まりさが今ではただの不良債権に感じる。 それを赤まりさもなんとなく感じているようで、最近では親れいむに甘えることが多い。 もっとも、それがウザさを強調して親れいむは更に赤まりさが嫌いになっていたのだ。 「ゆぅ・・・れいむは、おチビちゃんたちとはなれたくないよ・・・」 こんなにゆっくりした赤ちゃんと離れたくない。 自分と同じ種の、こんなにゆっくりした赤ちゃんと離れたくない。 親れいむは切実にそう思っていた。 赤まりさとだけの生活に戻りたくなかった。 伴侶が死んで、だいぶ経つ。 もう赤まりさへの最後の未練、死んだ伴侶の思い出もほとんど消えていた。 哀れ餡子脳。 翌日。 赤れいむの引き渡しは滞りなく行われた。 早朝に現れた男は、親れいむの話を聞きもせず、さっさか赤れいむを回収していった。 この赤れいむ達は、これからも似たような系統のネタの仕込みに利用されることになる。 「ゆぅ・・・・」 巣に残った親れいむはため息をついていた。 「ゆっ♪」 「ゆゆー!こりぇでおかーしゃんはまりしゃたちだけのものだよ!」 「これでゆっくちできりゅね!」 「ちゃーわせー!」 「ゆ♪」 逆に、親を赤れいむから奪い返した気分の赤まりさはニコニコだ。 すぐにこの笑顔が曇ることになるのだが。 さらに翌日。 赤まりさは枝でぶっ叩かれて起こされた。 「ゆっくりおきてね!!もうあさなんだよ!!」 「ゆげっ!!」 「ゆぐっ!?」 「ゆぎゅっ!?」 「ゆぎゅぅ・・・」 「ゆぎゃっ!!」 赤まりさが起きると、そこにはプリプリと怒った親れいむが。 びくびくしながら、赤まりさは親れいむの次のセリフを待った。 「あのおチビちゃんたちはちゃんとおきてたよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 テキトーに返事をする赤まりさ達。 あんないなくなった奴なんかどうでもいい。 赤まりさはそう思っていた。 それよりも重要なものがある。 朝一番のすりすりだ。 これはとてもゆっくりできる。 一日を生きる活力となるすりすりなのだ。 「おかーしゃん、まりしゃはんしぇいしたから、すーりすりをしてね!」 「まりしゃにもおねが 「うるさいよっ!おねぼうをするゆっくりできないこにはすーりすりはなしだよっ!!」 そして体当たりをされた。 ある意味、頬のふれあいである。 さらに数時間後。 親れいむは狩りの準備を始めた。 あれから何かと赤れいむと比較されっぱだった赤まりさは、ようやくゆっくりできそうだと喜んでいた。 が。 「れいむのおチビちゃん。きょうからはいっしょにかりにいくよ!」 赤まりさは一瞬、真白になった。 何を言っているんだコイツは、的な感じで。 「どぼじでしょんにゃこちょいうのおぉお!?」 「まりしゃはゆっぐちぢだいよぉお!!」 「あかぢゃんはゆっぐりずるのがじごどでじょおおぉお!?」 「ゆっぐりざぜでよぉお!!」 「ごんなんじゃゆっぐぢできにゃいよぉおお!!」 「だまってね!あのゆっくりしたほうのおチビちゃんたちは、ちゃーんとかりができたよ!」 ゆっくりしてない方のおチビちゃん5匹は泣きながら抗議をした。 自分達はまだゆっくりしなくちゃいけないのだと。 だがそれに返ってきたのは言葉ではなく、体当たりと枝だった。 「ゆべ・・・」 「ゆぼ・・・わがだよ・・・」 「がりに・・・いぎまぢゅ・・・・」 「・・・」 「・・・」 「まったく、ぜんぜんごはんがとれなかったね。ほんとうにゆっくりしてないおチビちゃんだよ!」 初狩りで、しかも赤ゆっくりが取れる食糧などたかがしれている。 5匹で集めた食糧は、小指の先ほどの量だった。 「それがおまえたちのごはんだよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「どぼじじぇ・・・」 「おがーじゃ・・・」 「もっど・・・ゆっぐぢ・・・」 「おにゃか・・・しゅいた・・・・」 「ごんなんじゃ・・・ゆっぐぢ・・・」 「ごはんのたべかたもきたないし、ちょうどよかったね!これでれいむはゆっくりできるよ!」 その後、赤まりさは無理やり水浴びをさせられた。 体力のなくなっていた3匹がそのまま川に流れていき、残り2匹はその後の体罰で死んだ。 「ゆゅー・・・」 親れいむは悩んでいた。 それは群れの赤ゆっくりが、全然ゆっくりしていないことだ。 バカ丸出しの言葉遣い、臭い体、狩りもできないタダメシ食らいのごく潰し、そんなダメなものばかり。 「こうなったら、みんなでしつけしようね!」 この前、赤れいむ5匹を群れのみんなに紹介したら、1匹残らず感動していた。 ならば、群れの子供達がゆっくりしていないことは簡単に理解できるだろう。 この群れをよりゆっくりした群れにするため・・・ れいむは固い意思と共に、リーダーの下へと跳ねて行った。 おわり。
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飼われいむはおちびちゃんが欲しい 27KB 虐待-普通 同族殺し 飼いゆ ぺにまむ 餡子ンペ09出展 ・餡子ンペ出展『改造/失敗作の末路』 ・ゴミ処理場ネタでテーマ『改造』やろうと思ったけど、間に合わないので別ネタ。 「飼われいむはおちびちゃんが欲しい」 D.O ぺにぺに(まむまむ)と言えば、それはゆっくりにとっての生殖器を意味する。 器官としては単純な構造をしていて、外観はただの穴、 ただしゆっくり自身の意思で、体外に男性器のように飛び出させることもできる構造となっている。 体外に飛び出した状態をぺにぺに、体内に収納して穴のままの状態ならまむまむ、と呼ぶ。 ゆっくりの生殖行為は、一方のぺにぺにをもう一方のまむまむに挿入することで成立する。 ぺにぺにを挿入した側が精子餡、と呼ばれる特殊な餡子をまむまむ側に注入し、 精子餡を受け取った側が胎生型、あるいは植物型にんっしんをするのだ。 というわけで、ゆっくりにとって『ぺにぺに』は、子供を作るのに必要不可欠な器官なのである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆっくちちちぇっちぇにぇ。」 「ああ、これからは俺が飼い主だ。ゆっくりしていけ。」 れいむは今日、ゆっくりショップから買われた飼いゆっくり。 まだまだ生まれて一週間足らずの赤ゆっくりだ。 その表情は純粋で希望に満ち、おリボンにつけられた飼いゆっくり証明の銀バッジも、キラキラと輝いている。 「ゆっくちー。」 れいむは、生まれて翌日には親離れを済ませられ、涙を流す姉妹たちとともに飼いゆっくりとしての教育を受けた。 人間に迷惑をかけないための最低常識、『飼い主さん』と仲良くするとゆっくりできるということ、などなどである。 商品価値の問題もあるので、教育は生後3日程の間にみっちり行われた。 無論ゆっくり的道徳から見れば理不尽な内容も多く、しかも無条件に愛を与えてくれるはずの両親から引き離され、 それが終われば狭く透明なケースの中で、人間さんの品定めする視線にさらされ続けるのである。 ゆっくりショップでの生活は、まったくゆっくりできない日々であった。 「(ゆっくちできにゃいよ・・・。でみょ、れーみゅはかいぬししゃんと、ゆっくちくらしゅよ。)」 その中で支えとなったのは、『飼い主さんと仲良くすると、ゆっくりできる』という教えであった。 愛を与えられない悲しみ、過酷な教育を受ける苦痛。 だが、飼いゆっくりになれば、飼い主さんに迷惑さえかけなければしあわせーな生活が待っているのだ。 れいむはショーケースの中で、ゆっくりした未来を思い描いていた。 温かく安全なおうち、ゆっくりしたじゅうたんやベッドさん、柔らかく甘いゆっくりしたごはん、 恵まれた環境の中でゆっくりと育ったれいむの前に、ある日、とてもゆっくりしたまりさがやってくる。 まりさと瞬く間に恋に落ちたれいむは、情熱的なすっきりーを存分に行うのだ。 れいむの頭上には6匹のゆっくりしたおちびちゃん、れいむとまりさが3匹ずつ。 その後も何不自由ない生活の中で、おちびちゃん達はすくすくと育ち、やがておとなになる。 かつてのおちびちゃん達は、それぞれがとてもゆっくりしたつがいを見つけ、おちびちゃん達を産むだろう。 れいむが生涯を終えるとき、その周囲を飼い主さんと、何千匹もの自分の餡子を継いだ子たちが囲むのだ。 なんてゆっくりしたゆん生だろう。 これでこそ、れいむがゆっくりとして生まれた意味があるというものだ・・・・・・ 「じゃあ、ぺにぺに切ろうか。」 「・・・・・・ゆっ?・・・どうしちぇしょんなこちょいうにょ?」 「どうしてって。子供が出来たら俺がゆっくりできないだろ。俺がゆっくりできないと、お前もゆっくりできなくなる。」 「ゆ・・・おちびちゃん?ゆぴぅ?」 れいむはまだ赤ゆっくり。 人間で言えば2次性徴よりだいぶ前である。 将来おちびちゃんが欲しいとは思っているが、子作りの方法はよくわかっていない。 「ああ、お前子供だからよくわかんねえか。ぺにぺにってのは、無くなると子供が出来なくなるんだ。 お前に子供は必要ないからな。今のうちにぺにぺにを切っとくんだよ。」 なんとなくだが、れいむもぺにぺにの持つ意味を理解できた。 だが、もうひとつ疑問が湧いてくる。 「ゆぅう・・・?おちびちゃんはゆっくちできりゅよ?おにーしゃんもゆっくちできりゅでしょ?」 「俺はできん。勝手に増やされると迷惑なんだよ。じゃあ切るぞ。」 「ゆぁーん!やめちぇぇぇええ!!」 お兄さんは、れいむを左手でつまみあげると、ぷるぷると30秒程度小刻みに揺らしてやる。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆふぅぅぅうううう?」 れいむの顔はすぐに紅潮し、あごの下辺りからつまようじの先程の小さなぺにぺにが飛び出してきた。 そこに爪切りがそっとあてがわれる。 「ゆっくちやめちぇぇぇ!きょわい『ぷちんっ』・・・・・・ゆぴぃぃぃぃぃい!いぢゃいぃぃぃいい!!ぴぅ、ぅ・・」 「あとはこうして生地で傷埋めて・・・と。終わりだ。じゃあ今後もゆっくりしていってくれ。」 「ゆびゅ・・・ぴぅ。れいみゅ・・・・おちびちゃ・・。」 れいむの夢見た未来は、こうしてあっさりと失われたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「おーい、れいむー。公園いくぞ。」 「ゆっくりいくよ!ゆっゆーん!」 れいむは施術後、数日はお兄さんに厳しい目を向け、避けてはいたものの、月日を重ねるごとに従順になった。 そうして数ヵ月経って成体となった頃には、食事や遊びの時に、しあわせーできる普通の飼いゆっくりになっていた。 少なくとも表面上は。 れいむは、そこそこ優秀な飼いゆっくりだった。 それはれいむのリボンについた銀バッジからも確かであった。 バッジによる飼いゆっくり登録制度は、一応ガイドラインこそあれど、 事実上各自治体や企業で基準はバラバラと、かなり怪しい制度だ。 とはいえ、飼いゆっくりの質を把握すること、野良と区別すること等では役に立つので、採用され続けている。 ここ、虹浦市では以下のような基準となっている。 『銅バッジ』は、いわゆる飼いゆっくり証明証。 ただし躾等は行われていない。個体によっては優秀かも知れないので、マニアや慣れた調教師は好んで購入する。 『金バッジ』は、優良飼いゆっくり認定証。 人間に迷惑をかけない程度の常識を教育され、かつ人間との生活にストレスをあまり感じないという、 飼いゆっくり向きの性格だと認定された個体を示す。 人間の常識の中でゆっくりが生きると言うのは、野生に近い性格であるほど苦痛なものらしい。 では『銀バッジ』はと言うと、この2つの中間、人間に迷惑をかけない程度の常識を教育されたゆっくりである事を示す。 本来自分勝手で無条件に愛情が注がれることを望む赤ゆっくりが、生後数日で手にするには、 なかなかハードルの高いバッジなのであった。 「ゆーん!それじゃ、おにーさん。れいむはおともだちとあそんでくるよ!」 「あー、俺はココで寝てるから、好きに遊んでこい。」 「ゆっくりりかいしたよ!」 そんなわけで、れいむは飼いゆっくり生活のため、奪われた未来のことを忘れられないながらも、 人間と折り合いをつけて生きていくことを選んだのであった。 ・・・この日までは。 ここはデパート屋上に造られた、飼いゆっくり向けの施設が充実した室内公園。 公園では飼いゆっくり達が、いくつかのグループに分かれて各々ゆっくりと遊んでいた。 「こーりょこーりょしゅるよ!」 「わきゃるよー。」 「みゅほぉ!きゃわいいまりしゃにぇ!」 「れいぱーに、うんうんしゅるよ!しゅっきりー。」 「ゆぁーん。ありしゅ、ときゃいはにゃにょにー。」 赤ゆっくりや子ゆっくり達は、同世代の友達を作り、清潔な砂場の中で元気に跳ねまわっている。 「ゆゆーん。れいむのおちびちゃん、ゆっくりしてるよー。」 「ありすのおちびちゃんだって、とってもとかいはなのよ。」 「わかるよー。」 「みょん。」 子・赤ゆっくり達の中には、飼いゆっくりの両親から生まれたおちびちゃん達も多い。 そういった親ゆっくり達は、砂場の外でおちびちゃん達の遊ぶ姿を眺めながら、 子育ての苦労、自分のおちびちゃん達の可愛さ自慢などを楽しげに話している。 実は苦労しているのは飼い主の方なので、この親達はおままごとのような子育てを楽しんでいるだけなのだが。 他には少数のアスリートゆっくり達がぺにぺにやぺにぺに以外を鍛えているが、 大部分は先の2グループと、あと1つ、れいむを含めた去勢済みゆっくりのグループが占めていた。 「ゆぅ。おちびちゃんたち、たのしそうだね。」 「ゆっくりしてるわ。とかいはね。」 「うらやましいよー。」 遊ぶと言っても、おちびちゃんではないので飛んだり跳ねたりすることはない。 元々必要が無ければ運動もやりたがらないのがゆっくりなので、 子供もいない成体ゆっくり達が公園でやることと言えば、もっぱら井戸端会議となる。 未去勢のゆっくり達とは別グループ。 仲良くできるはずもない。 「ありすー、そろそろ帰るわよー。」 「ゆっくりわかったわ。おちびちゃん、もうかえりましょう。」 「ゆわーん。ありしゅ、もっとあしょびちゃいわ。」 「わがままいうのはとかいはじゃないわ。ぺーろぺーろ。」 「ゆゆーん、しゅっきりー。ありしゅ、ゆっくちりきゃいしちゃよ!」 「おちびちゃんは、とってもとかいはね!!すーりすーり、しあわせー!」 「しゅーりしゅーり、ちあわちぇー!」 「ほらほら。早く帰りましょ。今日はありすの好きなシュークリームよ。」 「「ゆっくりー!」」 自分達には得られない幸せを存分に味わうゆっくりを、恨めしそうにれいむ達去勢ゆっくりは眺めていた。 「ゆっくりしたおちびちゃん、ほしいねー。」 「むきゅん!ほうほうもなくはないわ。」 「ゆゆっ!?」×40 今日もそんな愚痴をこぼしていた所、これまた去勢済みのぱちゅりーが井戸端会議の輪に入ってきた。 「ゆぅー。またいなかものの、うそつきぱちゅりーがきたわ。」 「むきゅー!せめて『うわさずき』といってほしいわ!」 このぱちゅりーは、この辺りで飼われているゆっくり達の間では、『情報屋(自称)』として知られているけんじゃ(笑)。 噂から冗談、聞きかじりの知識など、あることないこと収集してはばら撒く、 井戸端会議では必須のキャラクターであった。 まあ、嘘つきぱちゅりーは言いすぎだが口が軽いので、秘密は絶対話せないタイプである。 だが、れいむはぱちゅりーの言葉に食いついた。 「そんなことより、れいむたちでもにんっしんするほうほうがあるの!?」 「わからないよー。」 「むきゅん。ぱちゅりーのじょうほうもうから、ゆっくりできないうわさがながれてきたのよ。まぎれもないじじつよ!」 「ゆっくりしないでおしえてね!」 「むきゅー。それじゃあ、このとっておきのじょうほうを、とくべつにおしえてあげるわ!」 「ゆっくりおしえてね!」×120 結局、みんな興味深々だった。 ・・・・・・。 それは、あまりにゆっくりできない方法であった。 多くのおちびちゃん達を生贄に捧げ、決められた手順に沿って儀式を行う。 幼く罪もない多くの命を犠牲にすることで、ぺにまむを失ったゆっくりでもにんっしんできる、というものである。 ただし、犠牲が多すぎること、手順に間違いがあると効果も失われることから、 これまでこの方法が成功した例は無い、という事らしい。 人間が聞けば矛盾だらけのぱちゅりーの話だったが、ゆっくり達は完全に信じた。 とはいえ、信じることと実行しようと考えることは別問題である。 「わ、わからないよー。」 「そ、そうね。よそのこでも、おちびちゃんはおちびちゃんよ。」 「そ、そんなの、ゆっくりできないみょん。」 ゆっくり殺しはゆっくりできない。 ましてそれがおちびちゃんであれば、なおさらであった。 それは、自分のにんっしんと引き換えにするとしても、高すぎる代償であった。 「むきゅーん。でも、このくらいしないと、ぱちゅりーたちはにんっしんできないわ。」 「もういいよー。ますますゆっくりできないよー。わかってねー。」 「むきゅ、そうね。じゃあ、つぎはとってもゆっくりした、ひとりすっきりーのほうほうをはなすわ!」 「ゆゆっ!!」×300 「むきゅー。まずはこんにゃくさんを・・・」 周囲のみんながぱちゅりーの性生活を垣間見ている頃、れいむはただ1匹、考え込むような表情のまま、 井戸端会議の輪から離れていったのであった。 「おちびちゃん・・・れいむのおちびちゃん・・・」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− れいむの子作りへの執念の強さは、人間にも、他の去勢ゆっくりにも理解できないものであった。 それは、れいむ自身の生まれ持った性格もあるが、不幸な偶然の積み重ねも原因であった。 そもそも、れいむが育ったゆっくりショップのゆっくり達は、すっきりー禁止の教育は受けていない。 客の中にはすでに飼っているゆっくりのために、つがいとして買っていく人も多いからだ。 教育内容としては『飼い主さんに逆らわない』だけで、その後すっきりー禁止、あるいは去勢するのは飼い主の自由。 実はゆっくりショップでも去勢済み赤ゆっくりは販売しているが、値段は数割増しだ。 これは、ゆっくりの体だけでなく、心にも傷が残らないように施術する技術料である。 もっとも普及している去勢法は、ゆっくりにとって麻酔となるラムネに発情剤を混ぜて眠らせ、 ギンギンになっているぺにぺにを、眠っている間に切り取ってしまう方法だ。 施術は赤ゆっくりのうちに行う。 これは別に博愛主義的な理由ではなく、ぺにぺにを失ったことによる喪失感やショック(+人間への不信感)を、 極力減らすために行っている処置だ。 ぺにぺにの存在理由もよくわかっていないうちに、しかも気がつけば切除されている、というようにすることで、 別にそんなもの無くてもゆっくりできる、という程度の認識になる。 こうすると、成体になった頃自分に子供が出来ないことは理解しても、あきらめがつく程度のショックで済むのだ。 だが、お兄さんは、何も理解していなかった赤れいむに、わざわざぺにぺにの存在理由を教えてしまった。 しかも、自分の顔を見せないなどの対策もせず、飼い主自身の手でぺにぺにを切り取る瞬間を見せつけてしまったのである。 いっそ銅バッジのゆっくりだったら、露骨に嫌悪感を飼い主に見せただろうから、決着は早く着いたはずであったろう。 お兄さんが仕事に出た後、れいむは庭の生け垣の向こうにいる、一匹の野良まりさに声をかけた。 「ゆぅ、まりさ。てにいれてほしいものがあるよ。」 「ゆっへっへぇ。あまあまさえくれれば、しろいこなさんから、きれいなこいしさんまで、なんでもてにいれてやるのぜぇ。」 野良まりさは、ゆっくり的に言えば非合法な商品を扱う売人である。 白い粉=小麦粉はゆっくりの治療薬(外傷用)だが、吸引すれば麻薬にもなる。 まともな飼い主なら、ゆっくりの手の届かないところに管理する。 きれいな小石は、要するに河原の小石とかだが、これまためったに外に出ない飼いゆっくりだと手に入れにくい。 野良だってそれなりに入手ルートは必要だが、案外飼いゆっくりより自由にモノが仕入れられるのだ。 金バッジ認定されるようなゆっくりでなければ、飼いゆっくりにはストレスをため込む者も多い。 れいむも多くの飼いゆっくり同様、しばしばおやつのお菓子で小麦粉を購入しては憂さを晴らしてきていた。 「ゆぅぅ。きょうはちがうよ。・・・・・・のらのおちびちゃんを、たくさんもってきてほしいんだよ。」 「ゆ、ゆ?・・・ゆふぅ。れいむにもそんなしゅみがあるなんて、まりさもしらなかったのぜぇ。ゆへぇ。」 わずかに冷や汗をかきながら、口の端を釣り上げて、陰気な笑みを見せる野良まりさ。 本心からの笑みでは無いことは、さすがにれいむもわかる。 野良まりさは、れいむが野良のおちびちゃんを使って、れいむ自身の薄暗い欲望を満たすつもりなのだと考えたようだった。 実際、野良まりさの客にはそういう飼いゆっくりも多い。 「おちびちゃんで、なにするのぜぇ?じわじわころすのぜ?すっきりーするのぜ?かんしんしないのぜぇ。」 「ゆぅっ、ゆぅー!ちがうよ!なんでもいいから、はやくもってきてね!」 「・・・しゅるいはなんなのぜ?かみがくろいのぜ?それともきんいろなのぜ?かずもいうのぜ。」 野良まりさの声が機械的なモノに変わる。 完全に商談として、頭を切り替えたようだ。 「・・・・・・れいむのおちびちゃんだけ、うまれたてで、このふくろはんぶんくらいでいいよ。」 れいむは、コンビニの買い物袋をまりさに渡す。 「ゆ゛ぅ。ずいぶんはでにやるのぜ・・・。」 「なんでもいいよ。できるの?」 「・・・・・・・・・まかせるのぜ。あしたのおひるにはもってくるのぜ。おなじりょうのあまあまとこうかんなのぜ。」 「わかったよ。」 まりさはコンビニ袋を口にくわえ、路地裏に消えていった。 そして、れいむは自分が引き返せない道に進みつつあることを感じていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌日の昼には、生まれたてでつやつやぷにぷにな赤れいむ10数匹をコンビニ袋に詰めてやってきた。 「ゆぴぃ。ゆっくちできにゃいよぉ。」 「しぇまいよぉ。ゆっくちさせちぇー。」 「しゅーやしゅーや、ゆぴー、ゆぴー。」 どうやって手に入れてきたかは野良まりさも語らない。 れいむにとってもなんの興味もない事であった。 「・・・さいごまでよくかんがえるのぜ。いまならまにあうのぜ。」 「まりさにはかんけいないよ。」 「・・・・・・だからいってるのぜ。」 まりさは、結局お菓子を受け取ると、れいむの方を振り向くことすらなく路地裏に消えていった。 れいむは、その姿を見届けることもなく、儀式の準備に取り掛かる。 時刻は太陽さんがオレンジ色に輝き始める頃。 庭の真ん中に、自分の体より少し大きく、深さはあごが隠れるくらいの穴を掘る。 「ゆぴぇ!ゆぅーん、おにぇーしゃん、ゆっくちさせちぇにぇ!」 次に、袋の中でもしょもしょと這う赤れいむを1匹とりだす。 そして、先のとがった棒を咥え、 「ゆぅ、おにぇーしゃん、どうしちゃにょ『ぷすり』ゆぴゃぁぁぁあああ!!」 転がした時に横を向いていた可愛いあんよに棒を突きたてた。 「ゆぁーん。どうしちぇしょんなことしゅるにょ『ころころころ、ぽろり』ゆあぁぁあ、おちりゅぅぅぅ。」 あんよに穴を開けた後は、死なせてしまわないようにそっと転がして、穴の中に放り込む。 「やめちぇ『ぐさり』ゆぴぃぃー。」 「ゆっくちできにゃ『ぷすり』ゆんやぁー。」 1匹取り出してはあんよに穴を開け、穴に落とす。 処置した赤れいむが5匹を越えたあたりからは、袋の中の赤れいむ達も異常に気付いて逃げだそうとするが、 所詮はまだ生まれたてで這いずるくらいしかできない赤れいむ達。 逃げる方法もなく、れいむの届かない所に隠れようと、袋の奥へと逃げ固まり、もしょもしょと身を寄せ合って震えていた。 「はやくでてきてね!」 「ゆぴぁぁー。たしゅけちぇー。」 無論、袋の中でどれほど奥に隠れようと、れいむが舌を伸ばせば簡単に届く。 結局生まれて間もなく親元を離され、袋の中で震えていた赤れいむ達は、 1匹残らずあんよに穴を開けられ、庭の穴の中に敷き詰められた。 「ゆっくちたしゅけちぇー。」 「みゃみゃー。ぴゃぴゃー。」 「おにぇーしゃん、ぺーりょ、ぺーりょ。ゆっくちちちぇにぇ。」 「しゅーり、しゅーり。みんにゃ、ゆっくちちちぇー。」 ぷりぷりとした、可愛い可愛い赤れいむ達。 穴のふちで、息も絶え絶えながらいまだにお互いを気遣う赤れいむ達を眺めていたれいむだったが、 その健気な姿も、決意を揺るがせるには至らなかった。 「おちびちゃんたち!」 「ゆぴぃ。おにぇーしゃん、ゆっくちちちぇー。」 「れいむのおちびちゃんのために、ゆっくりしんでいってね!!」 「ゆ、ゆぴゃぁぁああああ!!」×16 そういうと、れいむは穴の中に、ゆっくりと飛び降りた。 「ゆぴゅ・・・おみょい『ぷちゅ』・・・」 「ゆっくち、ちちゃか『ぐちゃ』・・・」 「どうしちぇ、みゃみゃ『ぷちっ』・・・」 じわり、とれいむのあんよに生温かく水気の多い餡子の感触が広がる。 ぷちりぷちり、とれいむのあんよに赤れいむの潰れる感触が伝わる。 ・・・やがて、赤れいむの声が聞こえなくなり、庭に掘った穴は、新鮮な餡子で満たされた風呂になった。 これこそが、れいむがぱちゅりーから聞いた、儀式の全てであった。 「ゆ、ゆ、ゆぅ。これで、これでおちびちゃんが・・・。」 ぱちゅりーの話が正しく、儀式が成功していれば、 れいむは今夜すーやすーやすると、朝にはれいむのお腹の中に、新しい命が宿っているはずであった。 れいむは全てが終わった後、お兄さんにばれないように庭の穴を埋め、 全身を泥まみれにして餡子風呂の痕跡を隠し、 お兄さんの帰りを待った。 お兄さんはれいむの汚れ方に驚いたものの、 めったに元気よく遊ぶことのないれいむが、珍しくはしゃいでいる事にむしろ喜んでいた。 形ばかりは叱ったものの、お風呂にれいむを入れてやり、珍しくゆっくりフード以外のご飯も作ってあげた。 その日、庭でれいむが何をしたのか、全く疑うことなく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌日、れいむは自分のお腹の中に、たった1つだけではあるが、確かに新しい命の存在を感じた。 ゆっくりの本来の生態から考えると、まったくありえないにんっしんであった。 全ては、思い込みが行動や能力に多大な影響を与える、ゆっくり特有の性質によるものであろう。 胡散臭く凄惨な儀式を、本当に効果があるものだと本気で信じたこと。 それ以上に、おちびちゃんが欲しいという想い。 れいむの良くも悪くも、純粋な願いが、れいむの体に限界を超えさせたのであった。 その日から数日、れいむの食欲は倍増し、瞬く間にサイズが増していったが、 お兄さんも、まさかれいむがにんっしんしているなどとは思わず、 「最近太ってるけど大丈夫か?」 などと言う程度だった。 胎生型にんっしんにしては大きく育っていないことも、ごまかすことが可能だった原因だったかもしれない。 多産なゆっくりは、植物型にんっしんで5~10匹、胎生型でも2~3匹は産む。 まして胎生型なら赤ゆっくり1匹のサイズもビリヤードのボール並になる。 通常のにんっしんであれば、さすがにお兄さんも気付いたであろう。 そしてにんっしんから4日後、通常のにんっしんよりかなり早く、れいむは産気づいた。 今は夕方だが、お兄さんはまだ仕事で家にいない。 出産のタイミングとしては今しかなく、れいむはお兄さんの枕をおちびちゃんの着地地点に置き、出産の体勢に入った。 「ゆ、ぎ、ぎ、ぎぃぃぃ!おちびちゃん!ゆっぐぢうまれでねぇぇぇぇえええ!!」 ぺにぺに、まむまむを失っているれいむは、普通の出産が出来ない。 そのためおちびちゃんは、メリメリとあにゃるから顔を出していた。 うんうんと同じ感覚で産もう、などと器用な事が出来るわけでもなく、れいむの表情は苦痛にゆがむ。 だが、この苦痛の先には明るい未来があるのだ。 そして、 しゅぽーん。ぺちょり。 「ゆ、ゆ、ゆぅぅ・・・」 「おちびちゃん!」 「ゆ、ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「ゆぅぅぅううう!おちびちゃん、れいむのおちびちゃん!ゆっぐぢぢぢぇっぢぇにぇぇぇええ!!」 れいむから生まれた赤ゆっくりは、たった1匹だけ。 ゴルフボールより少し大きい程度の、胎生出産にしては小さすぎる赤れいむであった。 思い込みで乗り越えた限界も、この辺りが精一杯であったのであろう。 「しゅーりしゅーり、ちあわちぇー。」 「ゆぅぅぅううう!ずーり、ずーりぃ!!」 「ゆぁーん、おきゃーしゃん、いちゃいよぉ。」 「ゆふふふぅぅぅ!ごべんでぇぇぇぇええ!!」 だが、一度は完全に諦めていた、自分の体を痛めて産んだおちびちゃん。 大切に、大切に育てていこう、そうれいむは誓ったのであった。 お兄さんにばれたらおちびちゃんが酷い目に会うかもしれない。 自分みたいにぺにぺにを切らせるわけにはいかない。 おちびちゃんを隠すなら、めったに使ってない物置部屋の、机の下をおうちにしよう。 今日までずっといい場所を探していたんだ。 ご飯は、れいむが大食いになったふりして、いくらかお口の中に隠して持っていこう。 うんうん、しーしーはティッシュさんをおうちに持っていけばいい。 物置部屋は奥の部屋だから、夜でもなければ少しくらい声を出しても大丈夫。 大きくなったおちびちゃんには、ゆっくりしたお嫁さんを連れてこないと。 そうだ、公園で遊んでいたあのまりさはどうだろう。 とってもゆっくりした飼いまりさだった。 きっとれいむのおちびちゃんと、相性バッチリだ。 そしたら、おちびちゃんのおちびちゃんも・・・・・・ れいむは、これまで足りない頭で必死に子育て計画を練っていた。 それは、れいむがあの『儀式』を知るずっと前から。 いつか築き上げる、れいむのゆっくりした家族、 じぶんが赤ゆっくりだった頃に夢見た未来のために。 「おい。なんだその赤れいむは?」 まったく無駄だったが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「だから、何なんだよ。この赤れいむは。」 お兄さんは、れいむが産気づいている間に家に帰って来ていた。 帰っても出迎えが無いのは珍しいので、何かあったのかと思って探してみればこの結果である。 ちなみに赤れいむは、ぴーぴーうるさいのでゆっくりフードにラムネを加えて食べさせ、すーやすーやしてもらっている。 れいむも赤れいむも、お兄さんの机の上に乗せられた。 特にれいむはデスクライトを真正面から向けられ、取り調べの様相となっている。 「しゅーや、しゅーや・・・ゆっくちー。」 「・・・れいむのおちびちゃんだよ。」 「ああ。さっきの見てたから、そこは理解した。でも、何でだ?まむまむは無いんだぞ?父親はだれだ?」 「ゆぅ・・・それは・・・」 ゆっくりは精子餡を体内に受け取るどころか、体に浴びるだけでも時にはにんっしんしてしまうほど、すっきりーの成功率は高い。 あにゃるでも口内すっきりーでもドンと来いである。 ただし、ぺにぺに(まむまむ)を切除されると、思い込み効果であろうが、 にんっしん能力を完全に失うはずなのであった。 「あり得ないだろ。お前の態度を見てると、どっかからチビを拾ってくるかもとは思ってたが。まさか産むとは・・・。」 れいむは、全てを話した。 儀式の話、全てを。 れいむは、自分が野良と接触していたこと、勝手ににんっしんした事を怒られると思っていた。 だが、詳しい話を聞くうち、困惑の中にも怒気を含んでいたお兄さんの表情は消え、 話が終わった頃には、無表情ながら、顔色が多少青ざめていた。 「れいむ。」 「ゆぅ。」 「今の話、全部本当か。」 「そうでず。だまっててごべんだざい。」 お兄さんとしても、さすがに全ては信じられなかったのか、話の途中で庭まで見てくる程だったが、 穴の痕跡を少し掘り返したところで見つけた、小さなリボンの残骸とコンビニ袋を見ると、 それ以上掘り返すまでもなく信じるしかなかった。 「れいむ・・・・・・お前はもう飼えないよ。」 「ゆっ!?ゆぅ、ゆっくりりかいしたよ。」 銀バッジ試験を受けた頃から教えられていたこと。 飼いゆっくりが勝手に子供を作ったら、捨てられたり、折檻を受けたり、 ゆっくりできない事になるということは、ずっと前から聞いていた。 「おにいさん、れいむは、おちびちゃんとゆっくりいきていくよ。・・・さようならだね。」 おちびちゃんは、今も机のど真ん中で、仰向けに寝転がって気持ちよさそうに寝息を立てている。 「ゆぴー、ゆぴー。もうたべられにゃいよぉ・・・」 このおちびちゃんが、野良として過酷な環境に生きていかなければならないのはつらいが、 もはやれいむにはどうしようもない事であった。 お兄さんは文房具立てに立ててあったはさみを手に取ると、 赤れいむの口のすぐ下とぺにぺにの位置に先端を押し付け、 しょきん 赤れいむの腹を縦に切り裂いた。 「ゆ・・・ぴゅ・・・」 赤れいむは相変わらず穏やかな表情のまま、2~3度ぷるぷるっ、と痙攣すると、 口の端から餡子を一滴たらし、そのまま動かなくなった。 「?・・・ゆぁぁっぁああああああー!ゆっぐぢぢでぇぇえええ!」 れいむは赤れいむの傷口をぺーろぺーろして癒そうとするが、 舌が赤れいむに触れるたびに、腹の傷口から水気の多い餡子がごぽっと流れ出す。 れいむの見ている前で、赤れいむは安らかな表情のまま餡子の水たまりを広げていき、 へにょへにょとしぼんでいった。 「ゆびぇぇぇぉえええええ!!なんでぇぇぇえ!なんでなのぉぉおお!おにいざぁぁあん!!」 「・・・子供に罪は無いからな。楽に済ませた。」 「なにいっでるのぉぉぉぉぉ!!」 「俺も、育て方失敗したな。」 「ゆぁぁぁあああああ!!おちびぢゃんがぎらいなら、ずでればいいでじょぉぉおお!どおぢで!どおじでぇぇえええ!!」 お兄さんは、飼えないと言った理由をれいむが誤解している事をわかっていたが、もはや訂正しなかった。 ゆっくりが嘘をついたり、ごまかしたり、わがままを言ったり、物を壊したりするのは、叱りはするが別に捨てる理由にはならないと。 たとえ野良の赤ゆっくりを拾って、隠れて育てていたとしても、それは変わらないこと。 ひょっとしたら、1匹くらいしょうがないと、れいむと一緒に飼ってあげたかも知れないこと。 しかし、今後もれいむを飼っていくには、今回の行いは余りにもおぞましすぎたのだ。 お兄さんもゆっくりの育て方を知らなすぎたと反省してはいたが、このれいむが特殊な部類であろうことは、さすがに理解できていた。 それにもうひとつ、れいむは誤解していた。 「ゆぎぃぃぃいいいい!!はなしでぇぇえええ!れいむをはなじでぇぇえええ!!」 お兄さんは先ほど穴から掘り出してきた、かつて野良赤れいむが詰められていたコンビニ袋にれいむを詰め込む。 赤れいむの遺体も一緒に。 「ゆぁぁあぁあああ!おちびじゃん!おぢびぢゃぁぁあああん!!」 そして、口をしっかりと結んでれいむを閉じ込めると、かかとをそっとれいむの頭の真ん中に乗せた。 「れいむは、れいむはのらになっで!もっどおぢびぢゃんをうむんだよぉぉおお!! たぐざんのおぢびじゃんど、おぢびぢゃんのおぢびぢゃんど、おぢびぢゃんのおぢびぢゃんのおぢびぢゃんど・・・」 れいむは誤解していた。飼いゆっくりを生きたまま捨てるのは、マナー違反だ。 「ゆあぁぁああああ!!れいむはおぢびじゃんとゆっぐりずるんだぁぁああ!!ゆひぃ!ゆひぃぃい!ゆっぐぢ」 お兄さんはそっと、全体重をかかとにかけた。 ・・・・・・ぶじゅり。 挿絵 by儚いあき 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生 ふたば系ゆっくりいじめ 628 ゆきのなか ふたば系ゆっくりいじめ 662 野良ゆっくりがやってきた 本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ 前日談 ふたば系ゆっくりいじめ 522 とてもゆっくりしたおうち 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 冬-1. ふたば系ゆっくりいじめ 490 ゆっくりしたハロウィンさん 『町れいむ一家の四季』シリーズ 後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ) D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓右に同じ -- 2016-09-01 21 32 39 やっぱバッジ付きでもバカはバカなんだよな。根本的な部分は、何一つ変わっちゃいない。 -- 2016-05-05 21 54 11 取り敢えずれいむは糞だな -- 2016-02-23 15 26 13 去勢のやり方さえ変えてればこうわならなかった -- 2014-04-18 14 27 33 半分以上は去勢の仕方に問題が有りすぎたお兄さんの責任でもあるな。 このれいむにエリザベート・バートリー級の狂気を感じた。 -- 2012-11-28 01 59 40 人間じゃなくてゆっくりに全ての虐め行為を代弁させている感じがして下衆だなぁ。 内容は面白いけど。 -- 2012-06-12 15 14 10 べつににんっしんしなくても、まりさに調達してもらった赤ゆを自分の赤ちゃんにすればよかったのに。 馬鹿なれいむだったね。 -- 2012-02-28 04 45 05 一生モノのトラウマだよ!お姉さん最悪!もっと下さい。 -- 2012-02-27 22 01 20 今回はお兄さんが悪いな。 銀バッジなんて買うから。やっぱり買うなら金にしないと。 安く銅とか銀とかかって殺すことになるなら、飼いやすい金と飼い方のマニュアルを用意するのがペットを買うということだろう。 -- 2011-10-22 09 05 34 お兄さんいかにやりすぎだ・・・。 俺ゆっくり飼ってみたい -- 2011-08-11 10 06 06 これは珍しいケースなんだから、学会発表モノじゃ無いのか? もったいない・・・。 -- 2011-07-12 22 42 47 商人まりさ凄ぇなw お兄さんはけじめが有って優しい人なんだねー。今度飼うゆっくりと幸せになる事を祈るよー -- 2010-10-24 21 51 51 楽に殺してあげるなんていいお兄さんだな 俺だったらヒャッハーしてるわ -- 2010-09-28 17 03 28 この商人まりさが未成ゆんででてくるゲスまりさか -- 2010-08-12 23 33 33 これめっちゃおもしろい!! 望まない去勢のせいで気が病んでしまったんだな けじめのあるお兄さんで良かった -- 2010-07-30 17 34 08 商人まりさは実は良いゆっくりだな -- 2010-07-29 00 57 05 面白かったです。 れいむが夢見てた、何千匹もの自分の餡子を継いだ 子供たちに囲まれて生涯を終えるってとこ。気持ち悪すぎて目眩がした。 -- 2010-07-20 16 54 25 流石にコレはゆっくりの生体を勉強してても予想できんだろ… 想像妊娠で出産まで出来るってなにごと… -- 2010-07-14 14 35 25 思い込みってすごいな・・・・。処分するのは当然の処置だな。 -- 2010-06-27 23 36 03 お兄さん、ペット飼う前には勉強しとけよ -- 2010-06-22 08 54 54
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直接的な虐待はありません 愛でられたゆっくりについてはまったく知りません ドスまりさが出ます ちょろっとあにゃる ここは加工所にあるゆっくり養殖場、ここでは名の通りゆっくりを養殖しそれを実験等に使っている。 ここで生まれてくるゆっくりは四種、れいむ、まりさ、ぱちゅにありす。どれも植物型にんっしんで生まれてくる 食用にされる事は無く、ドスのいる群れゆっくりとしてなるべく野生に近く育てられる。 必要に応じ赤ゆっくり、子ゆっくり、時には成体ゆっくりを繁殖飼育させていた。 そんなある日いつものようにゆっくり収穫作業をしていた加工所の職員は思った。 (ここで育つゆっくりや野性ゆっくりはほとんどがゆっくり出来ずに死んでいく。愛でられた飼いゆっくりは人の手でゆっくりさせられたものだし、野生に近い状態で最後の最後までゆっくりさせ続けたらどうなるのか?) 思い立ったが吉日、職員は上司に掛け合いまだ実の状態の赤れいむをそれはそれはゆっくりと育てる事にした。 「ゆっきゅりちていってね!」 「「ゆー!!この赤ちゃんれいむはとってもきれいおかざりをしてるよ!」」 この赤れいむは生まれた瞬間からとてもゆっくりしていた。 ここでは固体識別のため、実の状態からそれぞれの飾りにタグが付けられている。職員がれいむのそれを特別綺麗なものにしたので 大好きな母れいむと父まりさがこの特別なれいむの誕生を一番喜んでくれたのだ。 れいむは五匹姉妹の真ん中、姉も妹もとっても褒めてくれた。 赤れいむはとてもゆっくりしていた。 おかーさんは初めてのご飯のときれいむにだけ口移しでくれた。 おとーさんはれいむに一番長くすーりすーりしてくれた。 皆と一緒にドスにあいさつしに行ったときドスと補佐役のぱちゅりーは群れで生まれた赤ちゃんの中で一番気に入ってくれた。 この赤れいむが子れいむになるときにはとてもゆっくり出来る友達が出来た。 狩りが得意なまりさ、れいむもびっくりするほど綺麗で上品なありす、おとーさんおかーさんより物知りなぱちゅりー。 いっつも四匹で遊んでいた、時々群れの広場から離れて冒険したときは必ずあまあまさんを見つけた。 れいむに嫉妬しいじめるゆっくりは何故か次の日になると居なくなっていた。 れいむが成体近くになる頃、まりさとぱちゅは次のドスと補佐役と言われるほどになった。 友達がそれ程になるのはれいむにとっても嬉しかったし自慢になったけれど とっても綺麗で皆に優しいありすにけっこんしましょうと言われた事がれいむにとって一番だった。 おとーさんおかーさんが居なくなった時、群れの子供や赤ちゃんが突然消えたとき、ドスやぱちゅが引退すると言ったとき とても悲しかったけど、その都度ありすやドスとなったまりさ、たくさんの言葉で慰めてくれたぱちゅやありすと育てた子供達がいたおかげで立ち直れた。 それかられいむはとてもとてもゆっくりと過ごした・・・ そしてれいむにとって最後の日 その日は群れ総出でれいむの最後を見守った。 「ゆぅ…れいむはもうたくさんゆっくりできたよ…みんなのおかげだよ」 「でいぶうううう!ありずをおいてかないでええええ!!」 「おがーざあああんゆっぐりじでよおおおおお!!!」 「むきゅ…ありすにこどもたち、かなしんじゃだめ。れいむをみて、いまとってもゆっくりしているわ、これはゆー往生といってとくべつなものなのよ」 「ゆー往生?ぱちゅ!ドスにそれをおしえてね!」 「とてもゆっくりしたゆっくりだけがたどりつけるさいごのことよ、れいむもみんなもゆっくりできるの」 「でもれいむはゆっくりしてないよ!れいむ!ゆっくりして!」 「ゆ…こどもたち…ゆっくりしたおとなになってね。まりさにぱちゅ、これからも皆をゆっくりさせてね」 「ありす、れいむひとりになるのがこわいよ・・・さみしい・・・よ」 「「「「ゆううううう!!!れいむうううううう!!!!」」」 「ご、こどもだぢ!おがあざんにずーりずーりじまじょうね!!」 「おがあざん!ずーりずーり!だいずぎだよおおおお!!!」 ゆー往生って何だ、それより何も起きないのかとモニタ越しに見ていた職員が思ったその瞬間 「ありずはでいぶとずっといっいっいっんほおおおおおお!」 突然発情したかと思えばありすの目、口、あにゃるからカスタードがゆっくり目で見て致死量だと分かるほど漏れ出す。 「ゆ、ゆぎゃああああおどおざああああゆっぐ、ぐるじ・・・ゆっゆっあぶっゆ゙っ!」 ありすの異変に駆け寄ろうとした子供達はなんと爆裂してしまった 「ぱちゅ!こ、これはいったいどういうこと!?ありすとこどもたちががしんじゃったよ!」 「むきゅうううううん!わからないわ!なんでごっ!!ぶっ・・・ぶぎゅう!」 続いてぱちゅりーも、そしてまわりで見ていたゆっくりたちも 「ゆー!どうなっでぐっぐぅ・・・」 「おかーしゃんどうちたの?ゆっ!ゆううううう・・・」 「ゆうう・・・こわいのけどなんだかすっきっきっきゆ゙っゆ゙っ」 「ま、まりさはとにかくにげゆばっっ!!」 「ごんなのどがいばじゃなびっ!!」 「むきゅっきゅっゆっゆっゆっ」 「みっみんなゆっくりしてね!ぱちゅはおへんじしてね!ドスどうすればいいかわかんないよ!」 どういうことだ、ありすの死を皮切りにほとんどのゆっくりが死んでいく。 ゆー往生、今わの際にゆっくりが餡の底からゆっくり出来たと思って初めて起こる・・・だっけか。 うーん、恐らくそれを見てゆっくりしたら中身を漏らして昇天、ゆっくりできなかったら爆発。 多少取り乱したが常々冷静にと言われていたドスと無関心だったゆっくりだけ免れたのか こいつらはとことんゆっくりできない運命にあるんだな・・・ 地獄を見た後さっさと帰ってしまったゆっくり、オロオロしているドス、男の心配を他所に れいむはとてもとてもゆっくりしていた。
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幸せなおちびちゃんが出てきて、最後までゆっくりできてます。 夢を見続けるゆっくりが出てきて、最後までゆっくりできてます。 虐待分少ないので脳内保管推奨の上にオチが読めまくります。 夢見るれいむ れいむには夢があった。 群れで一番でなくてもいい、ごく普通に、ごくありふれたゆっくりとして、幸せにゆっく りしたいと言う夢があった。 幼なじみのまりさと一緒に。とてもゆっくり出来るゆっくりで、黒くて大きいお帽子がと ってもすてきで、いつも自分のことを大事にしてくれるまりさ。原っぱをかけまわって、一 緒にむーしゃむーしゃして、すーりすーりして、一緒にゆっくりして。 まりさの作ったとてもゆっくり出来るおうちでふぁーすとちゅっちゅ。 夜になったら、ろまんてっくな闇の中で……。 秋の実りを蓄えて、冬の訪れを待つばかりの巣の中で、どんな子供達に育って欲しいか、 一緒に語らうのだ。 まりさとの可愛い赤ちゃんが産まれ、それはそれはゆっくりできるすばらしい赤ちゃん で。頭の上で、茎に繋がって次第に大きく成長していくおちびちゃんを、まりさはきっと 微笑ましく眺めるに違いない。だから、「とってもゆっくりしたおちびちゃん達だね」と 言って、ゆっくりとしよう。生まれる時も、とってもやんちゃで、少し危なっかしいのだ けれど、それでも一生懸命生きようと、生まれようとする大切な命を、まりさは優しく受 けとめて上げるのだ。初めて「ゆっきゅりしていってにぇ!」と言われたら、まりさと一 緒に「ゆっくりしていってね!」と言ってあげたい。すーりすーりしてあげて、くすぐっ たいと身をよじる赤ちゃんをぺーろぺーろしてあげたい。お腹がすいたと泣き出したら、 茎を柔らかくして食べさせてあげる。 そして「しあわしぇー!」と生きる喜びにうちふるえる赤ちゃんを、まりさは微笑まし く眺めるだろう。そんなまりさに、愛おしい思いを込めて、すーりすーりしたい。ゆっく りが生きていくには楽しい事ばかりじゃないけれど、辛い事しかないけれど、でもだから こそ、幸せを感じるゆっくりに育って欲しい。 春になれば、まりさは狩りに出かけることが多くなる。おちびちゃんたちはきっと、悲 しくて泣き出してしまうだろう。でもまりさが沢山ごちそうを持って帰れば、みな尊敬の 目を向けるはずだ。可愛いおちびちゃん達。 まりさは狩がおじょうずだけど、獲物が捕れない日もあるだろう。そんな時、まりさを 慰めてあげられる優しい子に育って欲しい。気落ちしているまりさの隣で、家族そろって すーりすーりすれば、些細な悩みなんて吹き飛んでしまうだろう。 ある木漏れ日の差す暖かい日に、一番上のおちびちゃんが、ゆっくり飛び跳ねることが 出来るようになるのだろう。まりさと一緒に微笑みながら、「すごくゆっくりできるね!」 と褒めて上げたい。他の妹たちも、みんな飛び跳ねようとして、うまく出来ないかもしれ ないけれど、それでもみなが自慢のおちびちゃんだ。その日はみんなでひときわ高い声で、 「ゆっくりしていってね!」とお休みを言おう。 食べられる虫さんやお花さんの見分け方を教える時、恐いれみりゃやれいぱーの話をす る時、みんな一生懸命にお勉強をするに違いない。きっとみんなとてもゆっくり出来るゆ っくりになるよ、と、子供が寝静まった後まりさに報告しよう。きっとまりさははにかみ ながら、「だってまりさとれいむのじまんのおちびちゃんだからね!」と、静かにすーり すーりしてくれるのだ。 暖かさが増してきたら、みんなで広場に出かけよう。同じ幼なじみのぱちゅりーやあり す達が、沢山の家族が思い思いにゆっくりしているだろう。彼女の子供達も、きっと凄く ゆっくりしているのだろう。そうして子供達は、姉妹の他に遊び相手を見つけるのだ。 中には、かけがえのない相手を見つける子もいるだろう。れいむとまりさのように。 お日様の下で、ちょうちょさんを追って、あるいはかくれんぼをして、一生懸命遊んだ ら、それもとてもゆっくり出来る為のお勉強だ。はしゃぎすぎて冒険に出てしまい、大人 達が探し回る事になるかもしれない。日が暮れるまで探し回って、ようやく川のほとりで ゆんゆん泣いている子を、叱るでなしにすーりすーりしてやろう。そしてそれはお姉さん のまりさで、その日に仲良くなったれいむなのだろう。少しくらいやんちゃなほうが、き っと小さい頃のまりさに似ているのだ。 おうちに帰って、まりさにそのことを話すと、やっぱり照れてしまうのだろう。そして まりさとれいむが出会った、一番大切な思い出を、我が子のせがむままに話してやるのだ。 子供達は目を輝かせて、まりさは顔を真っ赤にして、それでもとてもゆっくりした夜が過 ごせるのだろう。 だんだん暑くなってきて、食べるものがいっぱいに増えたら、おちびちゃんをつれて狩 りの練習。初めて本格的な狩りをするのだから、さすがの子供達も緊張気味なのだ。むし さんはいるかな。ちょうちょさんは待っていてくれるかな。 お姉さんが「まりさはきのこさんを取るよ!」と言うと、妹のれいむは「じゃあね、じ ゃあれいむはちょうちょさん!」と、みんなで目標を言い合うのだ。 ……ぇ、ぃ…… 森の中で、むしさんの声がすごいひびく。 まりさの狩りの特訓は少し厳しくて、でも一生懸命な子供達は少しづつだけれどもコツ を覚え始める。妹のれいむは日が傾くまでちょうちょさんを追い続けて、みんなが諦めよ うと言いかけたその時、姉のまりさがぱっくりと取ってやるのだ。にっこりと微笑んで妹 にちょうちょさんを渡す姉のまりさは、妹達から尊敬の眼差しを受けて、照れてしまうに 違いない。 本人は、夕日さんが赤いだけだよと言い張るのだけれど、そんな姉まりさに、まりさは 力強くすーりすーりをして上げるのだ。 ……ぉぉ、……ねぇぇ…… 夜は風が強くなる。 入り口が飛ばないように注意しなければならない。れみりゃやれいぱーに襲われてしま うからだ。けれどまりさは自信満々に、「とても丈夫に作ったからだいじょうぶだよ! どんなゆっくりだって入ってこれないように、わなさんだって作ったからね!」と言って いたので、何も心配いらない。 とは言え、将来子供達が住まうおうちがそこまで丈夫であるとは限らないので、出来う る限りのことを教えてやるのだ。恐い話を聞かされて、ゆっくり眠れなくなった子供達は、 きっと泣きながら、自分たちに寄り添ってくるだろう。すーりすーりしあっているうちに、 子供達は夢の中へと旅立つことになるだろう。気持ちよすぎて、自分でもうつらうつらと してしまい、まりさは呆れながらも、ゆっくりお休みと言ってくれるのだ。 明かりと言えばお月さまの青白い光だけで、星さんはあまり出ていない夜で、それは開 け放たれた入り口からよく見えて、獣のような顔をしたありすとれみりゃが入り込んでき たのだ。そして、ああこれは夢だなと思って、先ほど子供達に恐い話を聞かせたから、自 分で夢を見てしまったのだと苦笑しつつ、だってまりさが自信満々で仕掛けた罠が破られ るはずもないのだから。だずげででいぶううううとまりさは叫んでいるけど、なにかぬち ょぬちょするものに絡め取られて身動きが取れなくなっている。 子供達はと見回すと、いつの間にか居なくなっていて、みんな逃げられたんだねと、だ から夢なのだと、もう一度安心したところで目が覚めるのだ。 今日もゆっくり出来るのだと教えてくれる暖かい日差しの中で、まりさや子供達にうな されていたことをからかわれて、でもとても安心してゆっくり出来るのだ。 風が強かったのでその日は一日、おうちのなかでおゆうぎ。姉のまりさは踊りが上手。 真ん中のありすは踊りが上手。妹のれいむはお歌が上手で、みんなとてもゆっくりしてい るよと褒めて上げるのだ。 その日は大事に貯めてあったごちそうを出して、みんなでゆっくりご飯を食べるのだ。 綺麗なお花さんに、ぴかぴかしたむしさん。とてもゆっくり出来るご飯になって、子供達 もみんな満足するだろう。 みんながお花さん綺麗だったねと言うと、まりさはつい口を滑らせて、れいむもお花さ んみたいに綺麗だよと言ってしまうのだ。 幼なじみだったまりさと自分がつがいになった切っ掛けは、綺麗なお花さんだったのだ。 きらきらと光る夕日を後ろに、まりさが綺麗なお花さんをプレゼントしてくれたことは、 今でも忘れられない思い出だった。「一緒に暮らそう、れいむ! ぜったい、ぜったい幸 せに、ゆっくりにしてあげるから!」 いつも厳しいまりさがそう言ったのよ、と子供達に教えてやろう。子供達は頬を染めな がらも、幸せを祝福してくれるだろう。その後は、昔見つけた宝物を子供達に自慢してや るのだろう。まりさの一番の宝物はれいむだよ、と言って欲しいな。でも多分、プロポー ズした時に見つけた綺麗な石さんを、まりさは取り出すのだろう。 それは、一番の宝物はれいむだよ、そう言っているのと同じなのに。 ……ぃぃ……ょぉぉ…… 夜はまだ、風が強い。 恐い夢を見ないよう、まりさに寄り添って眠るだろう。すーりすーりとしてくるまりさ に、とてもゆっくりしているわと言われて照れるのだろう。一緒にすっきりしまじょうね と言われて久しぶりに高ぶってしまう。 もうすぐ実りの秋だし、子供達に妹が出来るのもいいかもしれない。狩りもうまくなっ たし、むしろ小さいあかちゃんが居れば冬ごもりの間、子供達はもっとゆっくり出来るか も知れない。ああでもやっぱり。 心地よい闇の中で、やはり夢を見た。 ……どぼじ……げでぐでだ…… あたま がおもい つたがはえて おちびちゃ ん ゆがんだ おかお だいぶくろいけど れいむはおちびちゃんと おちびちゃ ん、おちびちゃ……どこ? おちびちゃ…… ……の……ちびちゃ…… 秋になると、みなで一斉に狩りをする。 姉のまりさも真ん中のありすも妹のれいむも、みな狩りがお上手に育っているだろう。 でもやはり、まりさによく似た姉のまりさは、ぬきんでて狩りがお上手のはずだ。 自慢のかちゅーしゃに沢山の獲物をしまい込んで、得意げに跳ねるのだろう。群れに餌を 納めても、まだ十分に蓄えが出来るのだ。これなら妹達を増やしてもいいかもしれないね。 広場で仲良くなった家族と一緒に、ゆっくりと狩りをする。いつも一緒なのは、やはり ぱちゅりーとありすが番いになった、幼なじみの家族だ。四人で一緒に、小さい頃はよく 遊んでいた。大人になって、独り立ちして、家族を持ってからも、交流を続けていた。 ずっと本当は、ありすはまりさが好きだったんじゃないかなあ、と思っていた。 まりさにプロポーズされた後、ありすとぱちゅりーの二人には報告しに行ったのだ。そ のとき、少しだけありすが悲しそうな表情をしたのだった。もしかしたら、自分たちのた めに身を引いたのだろうか、と勘ぐってしまう。ありすはとても賢くて、友達思いだから。 でもすぐに笑顔になって、プロポーズのことを根堀り葉堀聞かれたのだ。二人して頬を染 めていると、とってもとかいはね、と褒められ、くすぐったかった。 だからと言うわけじゃあないけれど、ありすとぱちゅりーはすっごくお似合いに見える。 とても賢い二人は、とてもゆっくりとしていて、だからいつも四人で悩みや夢を語り合っ た。ありすはいつも引っ込み事案で、それはどうやら親がれいぱーだったことが原因だと、 知り合ってしばらく後で聞かされた。本人もいつれいぱーになってしまうか判らないと、 少し疲れた微笑みを浮かべていたけれど、悩みすぎだよ、とみんなで慰めた。ありすはあ りすで、れいぱーじゃないから。でも、もしれいぱーになったら、ああ、歪んだお顔です っきりーするんだろうなあ、と、とても不安になったことを覚えている。 湖に行った時に、自分のお顔を歪めてみたけれど、とてもじゃないけれどれいぱーみた いな表情は作れなかった。きっとゆっくり出来ないのだろうと、子供ながら身震いしたも のだ。 野いちごさん、ぶどうさん、かきさん。 秋は実りがいっぱいだ。その分、可愛い子供達の笑顔も、いっぱいになる。おうちにの 中で、ささやかなパーティーを開く。子供達が生まれて、もう一年が過ぎるのだ。「みん な、春になったらもう立派なゆっくりだよ!」そう告げるまりさの、誇らしさの中にうれ しさと、巣立ちを控えた悲しさを感じ取れるのは、多分自分だけなのだ。 子供達が寝静まってからまりさに寄り添うと、まりさは声を立てずに泣き出してしまう のだろう。すーりすーりをして、ぺーろぺーろをして、次第に高ぶる心と体に身を任せて。 ああ、でも子供達が起きないかしら。呟いたからか、とかいはだから大丈夫だよ、と言う。 闇の中で綺麗に光る金色の髪の毛をはーぐはーぐしながら、くすぐったがるまりさの頬 をすーりすーりしながら、自慢のお帽子をぺーろぺーろしながら、体中が幸せな感覚に包 まれる。空を飛んでいるよりも、湖を自由に泳いでいるよりも、もっと素敵な浮き上がる 感覚に、次第に意識が闇の中に飲み込まれて。 ああまたあの夢が。ありすがまりさとれいむにのしかかっている夢。れいむを犯してい るはずなのに、顔の一部分だけがまりさになっている。奇妙な夢だなあと思ったらすぐに 現実に引き戻される。 お顔をすり合わせて、どんどん振動が強くなって、ゆ”っ、ゆ”っとうめき声なのか快 楽の叫びなのかが漏れ出でて、まりさはよだれを垂らしながらお顔を歪めて、二人一緒に すっきりー! 闇の中で、寝入ってしまったまりさの頭からツタが生えてくる。しゅるしゅると生える 何本ものツタに、新しい命が宿るのだ。まだ実は育っていないけれども、このおちびちゃ んたちもゆっくり出来る子に育ってくれるのだろう。次第に黒ずんで行くまりさを眺めな がらふと、幼なじみのありすを思い出した。 彼女はれいぱーになることを恐れていた。幸せなすっきりー! が出来るのだろうか。 幸せに、ゆっくり出来ているのだろうか。気にしても仕方がないことだ、自分に出来るこ とは何もないが、でも親友でいることは出来るのだ。 幸せを噛み締めて、ゆっくり元気に育っている我が子を見回す。暗くて見えないが、子供 達はみな幸せそうに寝入っている。 まりさに似て芯の通った姉のまりさ。彼女はきっと群れのリーダーとなるだろう。よく気 が利く真ん中のありす。きっととてもゆっくり出来るだろう。妹のれいむは少しどじだけれ ど、幼なじみのまりさと幸せな家庭を築くに違いない。みな綺麗なかちゅーしゃがとてもよ く似合う、素晴らしいゆっくりに育ってくれた。 もう、すぐに冬がくる。 まりさが作ってくれたこの巣は、とても頑丈な入り口で、ああでもいつの間にか壊れちゃ っているから直さないと。巣の中も汚れている。いくつかの黒い塊がところどころに、ああ、 あれはおちびちゃんだったっけ。開け放たれた入り口の近くにひときわ大きい塊が、とても ゆっくりした表情の、黒く歪んだまりさが。 まりさ。……まりさ。……。 …… ……しゃん…… ……おきゃあしゃん! …… 「もう、おきゃあしゃんってば! ありしゅはありしゅよ! まりしゃじゃにゃいわよ!」 「しょうよ、ときゃいはなありしゅはれいみゅじゃないわ!」 「しょれにおきゃあしゃんはれいみゅじゃにゃいよ! しっかりしてよね、ありしゅおきゃ あしゃん!」 おちびちゃん達はたまに判らないことを言う。 お母さんはありすじゃなくてれいむだよ。 ありすはれいぱーだよ。 親友を犯して殺して巣を乗っ取るれいぱーだよ。 だかられいむはれいむで、ありすじゃあないんだよ……。 れいむはれいむで、ありすじゃあ、ない、よ。 今宵も闇に、夢を見る。
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幸せなおちびちゃんが出てきて、最後までゆっくりできてます。 夢を見続けるゆっくりが出てきて、最後までゆっくりできてます。 虐待分少ないので脳内保管推奨の上にオチが読めまくります。 夢見るれいむ れいむには夢があった。 群れで一番でなくてもいい、ごく普通に、ごくありふれたゆっくりとして、幸せにゆっく りしたいと言う夢があった。 幼なじみのまりさと一緒に。とてもゆっくり出来るゆっくりで、黒くて大きいお帽子がと ってもすてきで、いつも自分のことを大事にしてくれるまりさ。原っぱをかけまわって、一 緒にむーしゃむーしゃして、すーりすーりして、一緒にゆっくりして。 まりさの作ったとてもゆっくり出来るおうちでふぁーすとちゅっちゅ。 夜になったら、ろまんてっくな闇の中で……。 秋の実りを蓄えて、冬の訪れを待つばかりの巣の中で、どんな子供達に育って欲しいか、 一緒に語らうのだ。 まりさとの可愛い赤ちゃんが産まれ、それはそれはゆっくりできるすばらしい赤ちゃん で。頭の上で、茎に繋がって次第に大きく成長していくおちびちゃんを、まりさはきっと 微笑ましく眺めるに違いない。だから、「とってもゆっくりしたおちびちゃん達だね」と 言って、ゆっくりとしよう。生まれる時も、とってもやんちゃで、少し危なっかしいのだ けれど、それでも一生懸命生きようと、生まれようとする大切な命を、まりさは優しく受 けとめて上げるのだ。初めて「ゆっきゅりしていってにぇ!」と言われたら、まりさと一 緒に「ゆっくりしていってね!」と言ってあげたい。すーりすーりしてあげて、くすぐっ たいと身をよじる赤ちゃんをぺーろぺーろしてあげたい。お腹がすいたと泣き出したら、 茎を柔らかくして食べさせてあげる。 そして「しあわしぇー!」と生きる喜びにうちふるえる赤ちゃんを、まりさは微笑まし く眺めるだろう。そんなまりさに、愛おしい思いを込めて、すーりすーりしたい。ゆっく りが生きていくには楽しい事ばかりじゃないけれど、辛い事しかないけれど、でもだから こそ、幸せを感じるゆっくりに育って欲しい。 春になれば、まりさは狩りに出かけることが多くなる。おちびちゃんたちはきっと、悲 しくて泣き出してしまうだろう。でもまりさが沢山ごちそうを持って帰れば、みな尊敬の 目を向けるはずだ。可愛いおちびちゃん達。 まりさは狩がおじょうずだけど、獲物が捕れない日もあるだろう。そんな時、まりさを 慰めてあげられる優しい子に育って欲しい。気落ちしているまりさの隣で、家族そろって すーりすーりすれば、些細な悩みなんて吹き飛んでしまうだろう。 ある木漏れ日の差す暖かい日に、一番上のおちびちゃんが、ゆっくり飛び跳ねることが 出来るようになるのだろう。まりさと一緒に微笑みながら、「すごくゆっくりできるね!」 と褒めて上げたい。他の妹たちも、みんな飛び跳ねようとして、うまく出来ないかもしれ ないけれど、それでもみなが自慢のおちびちゃんだ。その日はみんなでひときわ高い声で、 「ゆっくりしていってね!」とお休みを言おう。 食べられる虫さんやお花さんの見分け方を教える時、恐いれみりゃやれいぱーの話をす る時、みんな一生懸命にお勉強をするに違いない。きっとみんなとてもゆっくり出来るゆ っくりになるよ、と、子供が寝静まった後まりさに報告しよう。きっとまりさははにかみ ながら、「だってまりさとれいむのじまんのおちびちゃんだからね!」と、静かにすーり すーりしてくれるのだ。 暖かさが増してきたら、みんなで広場に出かけよう。同じ幼なじみのぱちゅりーやあり す達が、沢山の家族が思い思いにゆっくりしているだろう。彼女の子供達も、きっと凄く ゆっくりしているのだろう。そうして子供達は、姉妹の他に遊び相手を見つけるのだ。 中には、かけがえのない相手を見つける子もいるだろう。れいむとまりさのように。 お日様の下で、ちょうちょさんを追って、あるいはかくれんぼをして、一生懸命遊んだ ら、それもとてもゆっくり出来る為のお勉強だ。はしゃぎすぎて冒険に出てしまい、大人 達が探し回る事になるかもしれない。日が暮れるまで探し回って、ようやく川のほとりで ゆんゆん泣いている子を、叱るでなしにすーりすーりしてやろう。そしてそれはお姉さん のまりさで、その日に仲良くなったれいむなのだろう。少しくらいやんちゃなほうが、き っと小さい頃のまりさに似ているのだ。 おうちに帰って、まりさにそのことを話すと、やっぱり照れてしまうのだろう。そして まりさとれいむが出会った、一番大切な思い出を、我が子のせがむままに話してやるのだ。 子供達は目を輝かせて、まりさは顔を真っ赤にして、それでもとてもゆっくりした夜が過 ごせるのだろう。 だんだん暑くなってきて、食べるものがいっぱいに増えたら、おちびちゃんをつれて狩 りの練習。初めて本格的な狩りをするのだから、さすがの子供達も緊張気味なのだ。むし さんはいるかな。ちょうちょさんは待っていてくれるかな。 お姉さんが「まりさはきのこさんを取るよ!」と言うと、妹のれいむは「じゃあね、じ ゃあれいむはちょうちょさん!」と、みんなで目標を言い合うのだ。 ……ぇ、ぃ…… 森の中で、むしさんの声がすごいひびく。 まりさの狩りの特訓は少し厳しくて、でも一生懸命な子供達は少しづつだけれどもコツ を覚え始める。妹のれいむは日が傾くまでちょうちょさんを追い続けて、みんなが諦めよ うと言いかけたその時、姉のまりさがぱっくりと取ってやるのだ。にっこりと微笑んで妹 にちょうちょさんを渡す姉のまりさは、妹達から尊敬の眼差しを受けて、照れてしまうに 違いない。 本人は、夕日さんが赤いだけだよと言い張るのだけれど、そんな姉まりさに、まりさは 力強くすーりすーりをして上げるのだ。 ……ぉぉ、……ねぇぇ…… 夜は風が強くなる。 入り口が飛ばないように注意しなければならない。れみりゃやれいぱーに襲われてしま うからだ。けれどまりさは自信満々に、「とても丈夫に作ったからだいじょうぶだよ! どんなゆっくりだって入ってこれないように、わなさんだって作ったからね!」と言って いたので、何も心配いらない。 とは言え、将来子供達が住まうおうちがそこまで丈夫であるとは限らないので、出来う る限りのことを教えてやるのだ。恐い話を聞かされて、ゆっくり眠れなくなった子供達は、 きっと泣きながら、自分たちに寄り添ってくるだろう。すーりすーりしあっているうちに、 子供達は夢の中へと旅立つことになるだろう。気持ちよすぎて、自分でもうつらうつらと してしまい、まりさは呆れながらも、ゆっくりお休みと言ってくれるのだ。 明かりと言えばお月さまの青白い光だけで、星さんはあまり出ていない夜で、それは開 け放たれた入り口からよく見えて、獣のような顔をしたありすとれみりゃが入り込んでき たのだ。そして、ああこれは夢だなと思って、先ほど子供達に恐い話を聞かせたから、自 分で夢を見てしまったのだと苦笑しつつ、だってまりさが自信満々で仕掛けた罠が破られ るはずもないのだから。だずげででいぶううううとまりさは叫んでいるけど、なにかぬち ょぬちょするものに絡め取られて身動きが取れなくなっている。 子供達はと見回すと、いつの間にか居なくなっていて、みんな逃げられたんだねと、だ から夢なのだと、もう一度安心したところで目が覚めるのだ。 今日もゆっくり出来るのだと教えてくれる暖かい日差しの中で、まりさや子供達にうな されていたことをからかわれて、でもとても安心してゆっくり出来るのだ。 風が強かったのでその日は一日、おうちのなかでおゆうぎ。姉のまりさは踊りが上手。 真ん中のありすは踊りが上手。妹のれいむはお歌が上手で、みんなとてもゆっくりしてい るよと褒めて上げるのだ。 その日は大事に貯めてあったごちそうを出して、みんなでゆっくりご飯を食べるのだ。 綺麗なお花さんに、ぴかぴかしたむしさん。とてもゆっくり出来るご飯になって、子供達 もみんな満足するだろう。 みんながお花さん綺麗だったねと言うと、まりさはつい口を滑らせて、れいむもお花さ んみたいに綺麗だよと言ってしまうのだ。 幼なじみだったまりさと自分がつがいになった切っ掛けは、綺麗なお花さんだったのだ。 きらきらと光る夕日を後ろに、まりさが綺麗なお花さんをプレゼントしてくれたことは、 今でも忘れられない思い出だった。「一緒に暮らそう、れいむ! ぜったい、ぜったい幸 せに、ゆっくりにしてあげるから!」 いつも厳しいまりさがそう言ったのよ、と子供達に教えてやろう。子供達は頬を染めな がらも、幸せを祝福してくれるだろう。その後は、昔見つけた宝物を子供達に自慢してや るのだろう。まりさの一番の宝物はれいむだよ、と言って欲しいな。でも多分、プロポー ズした時に見つけた綺麗な石さんを、まりさは取り出すのだろう。 それは、一番の宝物はれいむだよ、そう言っているのと同じなのに。 ……ぃぃ……ょぉぉ…… 夜はまだ、風が強い。 恐い夢を見ないよう、まりさに寄り添って眠るだろう。すーりすーりとしてくるまりさ に、とてもゆっくりしているわと言われて照れるのだろう。一緒にすっきりしまじょうね と言われて久しぶりに高ぶってしまう。 もうすぐ実りの秋だし、子供達に妹が出来るのもいいかもしれない。狩りもうまくなっ たし、むしろ小さいあかちゃんが居れば冬ごもりの間、子供達はもっとゆっくり出来るか も知れない。ああでもやっぱり。 心地よい闇の中で、やはり夢を見た。 ……どぼじ……げでぐでだ…… あたま がおもい つたがはえて おちびちゃ ん ゆがんだ おかお だいぶくろいけど れいむはおちびちゃんと おちびちゃ ん、おちびちゃ……どこ? おちびちゃ…… ……の……ちびちゃ…… 秋になると、みなで一斉に狩りをする。 姉のまりさも真ん中のありすも妹のれいむも、みな狩りがお上手に育っているだろう。 でもやはり、まりさによく似た姉のまりさは、ぬきんでて狩りがお上手のはずだ。 自慢のかちゅーしゃに沢山の獲物をしまい込んで、得意げに跳ねるのだろう。群れに餌を 納めても、まだ十分に蓄えが出来るのだ。これなら妹達を増やしてもいいかもしれないね。 広場で仲良くなった家族と一緒に、ゆっくりと狩りをする。いつも一緒なのは、やはり ぱちゅりーとありすが番いになった、幼なじみの家族だ。四人で一緒に、小さい頃はよく 遊んでいた。大人になって、独り立ちして、家族を持ってからも、交流を続けていた。 ずっと本当は、ありすはまりさが好きだったんじゃないかなあ、と思っていた。 まりさにプロポーズされた後、ありすとぱちゅりーの二人には報告しに行ったのだ。そ のとき、少しだけありすが悲しそうな表情をしたのだった。もしかしたら、自分たちのた めに身を引いたのだろうか、と勘ぐってしまう。ありすはとても賢くて、友達思いだから。 でもすぐに笑顔になって、プロポーズのことを根堀り葉堀聞かれたのだ。二人して頬を染 めていると、とってもとかいはね、と褒められ、くすぐったかった。 だからと言うわけじゃあないけれど、ありすとぱちゅりーはすっごくお似合いに見える。 とても賢い二人は、とてもゆっくりとしていて、だからいつも四人で悩みや夢を語り合っ た。ありすはいつも引っ込み事案で、それはどうやら親がれいぱーだったことが原因だと、 知り合ってしばらく後で聞かされた。本人もいつれいぱーになってしまうか判らないと、 少し疲れた微笑みを浮かべていたけれど、悩みすぎだよ、とみんなで慰めた。ありすはあ りすで、れいぱーじゃないから。でも、もしれいぱーになったら、ああ、歪んだお顔です っきりーするんだろうなあ、と、とても不安になったことを覚えている。 湖に行った時に、自分のお顔を歪めてみたけれど、とてもじゃないけれどれいぱーみた いな表情は作れなかった。きっとゆっくり出来ないのだろうと、子供ながら身震いしたも のだ。 野いちごさん、ぶどうさん、かきさん。 秋は実りがいっぱいだ。その分、可愛い子供達の笑顔も、いっぱいになる。おうちにの 中で、ささやかなパーティーを開く。子供達が生まれて、もう一年が過ぎるのだ。「みん な、春になったらもう立派なゆっくりだよ!」そう告げるまりさの、誇らしさの中にうれ しさと、巣立ちを控えた悲しさを感じ取れるのは、多分自分だけなのだ。 子供達が寝静まってからまりさに寄り添うと、まりさは声を立てずに泣き出してしまう のだろう。すーりすーりをして、ぺーろぺーろをして、次第に高ぶる心と体に身を任せて。 ああ、でも子供達が起きないかしら。呟いたからか、とかいはだから大丈夫だよ、と言う。 闇の中で綺麗に光る金色の髪の毛をはーぐはーぐしながら、くすぐったがるまりさの頬 をすーりすーりしながら、自慢のお帽子をぺーろぺーろしながら、体中が幸せな感覚に包 まれる。空を飛んでいるよりも、湖を自由に泳いでいるよりも、もっと素敵な浮き上がる 感覚に、次第に意識が闇の中に飲み込まれて。 ああまたあの夢が。ありすがまりさとれいむにのしかかっている夢。れいむを犯してい るはずなのに、顔の一部分だけがまりさになっている。奇妙な夢だなあと思ったらすぐに 現実に引き戻される。 お顔をすり合わせて、どんどん振動が強くなって、ゆ”っ、ゆ”っとうめき声なのか快 楽の叫びなのかが漏れ出でて、まりさはよだれを垂らしながらお顔を歪めて、二人一緒に すっきりー! 闇の中で、寝入ってしまったまりさの頭からツタが生えてくる。しゅるしゅると生える 何本ものツタに、新しい命が宿るのだ。まだ実は育っていないけれども、このおちびちゃ んたちもゆっくり出来る子に育ってくれるのだろう。次第に黒ずんで行くまりさを眺めな がらふと、幼なじみのありすを思い出した。 彼女はれいぱーになることを恐れていた。幸せなすっきりー! が出来るのだろうか。 幸せに、ゆっくり出来ているのだろうか。気にしても仕方がないことだ、自分に出来るこ とは何もないが、でも親友でいることは出来るのだ。 幸せを噛み締めて、ゆっくり元気に育っている我が子を見回す。暗くて見えないが、子供 達はみな幸せそうに寝入っている。 まりさに似て芯の通った姉のまりさ。彼女はきっと群れのリーダーとなるだろう。よく気 が利く真ん中のありす。きっととてもゆっくり出来るだろう。妹のれいむは少しどじだけれ ど、幼なじみのまりさと幸せな家庭を築くに違いない。みな綺麗なかちゅーしゃがとてもよ く似合う、素晴らしいゆっくりに育ってくれた。 もう、すぐに冬がくる。 まりさが作ってくれたこの巣は、とても頑丈な入り口で、ああでもいつの間にか壊れちゃ っているから直さないと。巣の中も汚れている。いくつかの黒い塊がところどころに、ああ、 あれはおちびちゃんだったっけ。開け放たれた入り口の近くにひときわ大きい塊が、とても ゆっくりした表情の、黒く歪んだまりさが。 まりさ。……まりさ。……。 …… ……しゃん…… ……おきゃあしゃん! …… 「もう、おきゃあしゃんってば! ありしゅはありしゅよ! まりしゃじゃにゃいわよ!」 「しょうよ、ときゃいはなありしゅはれいみゅじゃないわ!」 「しょれにおきゃあしゃんはれいみゅじゃにゃいよ! しっかりしてよね、ありしゅおきゃ あしゃん!」 おちびちゃん達はたまに判らないことを言う。 お母さんはありすじゃなくてれいむだよ。 ありすはれいぱーだよ。 親友を犯して殺して巣を乗っ取るれいぱーだよ。 だかられいむはれいむで、ありすじゃあないんだよ……。 れいむはれいむで、ありすじゃあ、ない、よ。 今宵も闇に、夢を見る。
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幸せなおちびちゃんが出てきて、最後までゆっくりできてます。 夢を見続けるゆっくりが出てきて、最後までゆっくりできてます。 虐待分少ないので脳内保管推奨の上にオチが読めまくります。 夢見るれいむ れいむには夢があった。 群れで一番でなくてもいい、ごく普通に、ごくありふれたゆっくりとして、幸せにゆっく りしたいと言う夢があった。 幼なじみのまりさと一緒に。とてもゆっくり出来るゆっくりで、黒くて大きいお帽子がと ってもすてきで、いつも自分のことを大事にしてくれるまりさ。原っぱをかけまわって、一 緒にむーしゃむーしゃして、すーりすーりして、一緒にゆっくりして。 まりさの作ったとてもゆっくり出来るおうちでふぁーすとちゅっちゅ。 夜になったら、ろまんてっくな闇の中で……。 秋の実りを蓄えて、冬の訪れを待つばかりの巣の中で、どんな子供達に育って欲しいか、 一緒に語らうのだ。 まりさとの可愛い赤ちゃんが産まれ、それはそれはゆっくりできるすばらしい赤ちゃん で。頭の上で、茎に繋がって次第に大きく成長していくおちびちゃんを、まりさはきっと 微笑ましく眺めるに違いない。だから、「とってもゆっくりしたおちびちゃん達だね」と 言って、ゆっくりとしよう。生まれる時も、とってもやんちゃで、少し危なっかしいのだ けれど、それでも一生懸命生きようと、生まれようとする大切な命を、まりさは優しく受 けとめて上げるのだ。初めて「ゆっきゅりしていってにぇ!」と言われたら、まりさと一 緒に「ゆっくりしていってね!」と言ってあげたい。すーりすーりしてあげて、くすぐっ たいと身をよじる赤ちゃんをぺーろぺーろしてあげたい。お腹がすいたと泣き出したら、 茎を柔らかくして食べさせてあげる。 そして「しあわしぇー!」と生きる喜びにうちふるえる赤ちゃんを、まりさは微笑まし く眺めるだろう。そんなまりさに、愛おしい思いを込めて、すーりすーりしたい。ゆっく りが生きていくには楽しい事ばかりじゃないけれど、辛い事しかないけれど、でもだから こそ、幸せを感じるゆっくりに育って欲しい。 春になれば、まりさは狩りに出かけることが多くなる。おちびちゃんたちはきっと、悲 しくて泣き出してしまうだろう。でもまりさが沢山ごちそうを持って帰れば、みな尊敬の 目を向けるはずだ。可愛いおちびちゃん達。 まりさは狩がおじょうずだけど、獲物が捕れない日もあるだろう。そんな時、まりさを 慰めてあげられる優しい子に育って欲しい。気落ちしているまりさの隣で、家族そろって すーりすーりすれば、些細な悩みなんて吹き飛んでしまうだろう。 ある木漏れ日の差す暖かい日に、一番上のおちびちゃんが、ゆっくり飛び跳ねることが 出来るようになるのだろう。まりさと一緒に微笑みながら、「すごくゆっくりできるね!」 と褒めて上げたい。他の妹たちも、みんな飛び跳ねようとして、うまく出来ないかもしれ ないけれど、それでもみなが自慢のおちびちゃんだ。その日はみんなでひときわ高い声で、 「ゆっくりしていってね!」とお休みを言おう。 食べられる虫さんやお花さんの見分け方を教える時、恐いれみりゃやれいぱーの話をす る時、みんな一生懸命にお勉強をするに違いない。きっとみんなとてもゆっくり出来るゆ っくりになるよ、と、子供が寝静まった後まりさに報告しよう。きっとまりさははにかみ ながら、「だってまりさとれいむのじまんのおちびちゃんだからね!」と、静かにすーり すーりしてくれるのだ。 暖かさが増してきたら、みんなで広場に出かけよう。同じ幼なじみのぱちゅりーやあり す達が、沢山の家族が思い思いにゆっくりしているだろう。彼女の子供達も、きっと凄く ゆっくりしているのだろう。そうして子供達は、姉妹の他に遊び相手を見つけるのだ。 中には、かけがえのない相手を見つける子もいるだろう。れいむとまりさのように。 お日様の下で、ちょうちょさんを追って、あるいはかくれんぼをして、一生懸命遊んだ ら、それもとてもゆっくり出来る為のお勉強だ。はしゃぎすぎて冒険に出てしまい、大人 達が探し回る事になるかもしれない。日が暮れるまで探し回って、ようやく川のほとりで ゆんゆん泣いている子を、叱るでなしにすーりすーりしてやろう。そしてそれはお姉さん のまりさで、その日に仲良くなったれいむなのだろう。少しくらいやんちゃなほうが、き っと小さい頃のまりさに似ているのだ。 おうちに帰って、まりさにそのことを話すと、やっぱり照れてしまうのだろう。そして まりさとれいむが出会った、一番大切な思い出を、我が子のせがむままに話してやるのだ。 子供達は目を輝かせて、まりさは顔を真っ赤にして、それでもとてもゆっくりした夜が過 ごせるのだろう。 だんだん暑くなってきて、食べるものがいっぱいに増えたら、おちびちゃんをつれて狩 りの練習。初めて本格的な狩りをするのだから、さすがの子供達も緊張気味なのだ。むし さんはいるかな。ちょうちょさんは待っていてくれるかな。 お姉さんが「まりさはきのこさんを取るよ!」と言うと、妹のれいむは「じゃあね、じ ゃあれいむはちょうちょさん!」と、みんなで目標を言い合うのだ。 ……ぇ、ぃ…… 森の中で、むしさんの声がすごいひびく。 まりさの狩りの特訓は少し厳しくて、でも一生懸命な子供達は少しづつだけれどもコツ を覚え始める。妹のれいむは日が傾くまでちょうちょさんを追い続けて、みんなが諦めよ うと言いかけたその時、姉のまりさがぱっくりと取ってやるのだ。にっこりと微笑んで妹 にちょうちょさんを渡す姉のまりさは、妹達から尊敬の眼差しを受けて、照れてしまうに 違いない。 本人は、夕日さんが赤いだけだよと言い張るのだけれど、そんな姉まりさに、まりさは 力強くすーりすーりをして上げるのだ。 ……ぉぉ、……ねぇぇ…… 夜は風が強くなる。 入り口が飛ばないように注意しなければならない。れみりゃやれいぱーに襲われてしま うからだ。けれどまりさは自信満々に、「とても丈夫に作ったからだいじょうぶだよ! どんなゆっくりだって入ってこれないように、わなさんだって作ったからね!」と言って いたので、何も心配いらない。 とは言え、将来子供達が住まうおうちがそこまで丈夫であるとは限らないので、出来う る限りのことを教えてやるのだ。恐い話を聞かされて、ゆっくり眠れなくなった子供達は、 きっと泣きながら、自分たちに寄り添ってくるだろう。すーりすーりしあっているうちに、 子供達は夢の中へと旅立つことになるだろう。気持ちよすぎて、自分でもうつらうつらと してしまい、まりさは呆れながらも、ゆっくりお休みと言ってくれるのだ。 明かりと言えばお月さまの青白い光だけで、星さんはあまり出ていない夜で、それは開 け放たれた入り口からよく見えて、獣のような顔をしたありすとれみりゃが入り込んでき たのだ。そして、ああこれは夢だなと思って、先ほど子供達に恐い話を聞かせたから、自 分で夢を見てしまったのだと苦笑しつつ、だってまりさが自信満々で仕掛けた罠が破られ るはずもないのだから。だずげででいぶううううとまりさは叫んでいるけど、なにかぬち ょぬちょするものに絡め取られて身動きが取れなくなっている。 子供達はと見回すと、いつの間にか居なくなっていて、みんな逃げられたんだねと、だ から夢なのだと、もう一度安心したところで目が覚めるのだ。 今日もゆっくり出来るのだと教えてくれる暖かい日差しの中で、まりさや子供達にうな されていたことをからかわれて、でもとても安心してゆっくり出来るのだ。 風が強かったのでその日は一日、おうちのなかでおゆうぎ。姉のまりさは踊りが上手。 真ん中のありすは踊りが上手。妹のれいむはお歌が上手で、みんなとてもゆっくりしてい るよと褒めて上げるのだ。 その日は大事に貯めてあったごちそうを出して、みんなでゆっくりご飯を食べるのだ。 綺麗なお花さんに、ぴかぴかしたむしさん。とてもゆっくり出来るご飯になって、子供達 もみんな満足するだろう。 みんながお花さん綺麗だったねと言うと、まりさはつい口を滑らせて、れいむもお花さ んみたいに綺麗だよと言ってしまうのだ。 幼なじみだったまりさと自分がつがいになった切っ掛けは、綺麗なお花さんだったのだ。 きらきらと光る夕日を後ろに、まりさが綺麗なお花さんをプレゼントしてくれたことは、 今でも忘れられない思い出だった。「一緒に暮らそう、れいむ! ぜったい、ぜったい幸 せに、ゆっくりにしてあげるから!」 いつも厳しいまりさがそう言ったのよ、と子供達に教えてやろう。子供達は頬を染めな がらも、幸せを祝福してくれるだろう。その後は、昔見つけた宝物を子供達に自慢してや るのだろう。まりさの一番の宝物はれいむだよ、と言って欲しいな。でも多分、プロポー ズした時に見つけた綺麗な石さんを、まりさは取り出すのだろう。 それは、一番の宝物はれいむだよ、そう言っているのと同じなのに。 ……ぃぃ……ょぉぉ…… 夜はまだ、風が強い。 恐い夢を見ないよう、まりさに寄り添って眠るだろう。すーりすーりとしてくるまりさ に、とてもゆっくりしているわと言われて照れるのだろう。一緒にすっきりしまじょうね と言われて久しぶりに高ぶってしまう。 もうすぐ実りの秋だし、子供達に妹が出来るのもいいかもしれない。狩りもうまくなっ たし、むしろ小さいあかちゃんが居れば冬ごもりの間、子供達はもっとゆっくり出来るか も知れない。ああでもやっぱり。 心地よい闇の中で、やはり夢を見た。 ……どぼじ……げでぐでだ…… あたま がおもい つたがはえて おちびちゃ ん ゆがんだ おかお だいぶくろいけど れいむはおちびちゃんと おちびちゃ ん、おちびちゃ……どこ? おちびちゃ…… ……の……ちびちゃ…… 秋になると、みなで一斉に狩りをする。 姉のまりさも真ん中のありすも妹のれいむも、みな狩りがお上手に育っているだろう。 でもやはり、まりさによく似た姉のまりさは、ぬきんでて狩りがお上手のはずだ。 自慢のかちゅーしゃに沢山の獲物をしまい込んで、得意げに跳ねるのだろう。群れに餌を 納めても、まだ十分に蓄えが出来るのだ。これなら妹達を増やしてもいいかもしれないね。 広場で仲良くなった家族と一緒に、ゆっくりと狩りをする。いつも一緒なのは、やはり ぱちゅりーとありすが番いになった、幼なじみの家族だ。四人で一緒に、小さい頃はよく 遊んでいた。大人になって、独り立ちして、家族を持ってからも、交流を続けていた。 ずっと本当は、ありすはまりさが好きだったんじゃないかなあ、と思っていた。 まりさにプロポーズされた後、ありすとぱちゅりーの二人には報告しに行ったのだ。そ のとき、少しだけありすが悲しそうな表情をしたのだった。もしかしたら、自分たちのた めに身を引いたのだろうか、と勘ぐってしまう。ありすはとても賢くて、友達思いだから。 でもすぐに笑顔になって、プロポーズのことを根堀り葉堀聞かれたのだ。二人して頬を染 めていると、とってもとかいはね、と褒められ、くすぐったかった。 だからと言うわけじゃあないけれど、ありすとぱちゅりーはすっごくお似合いに見える。 とても賢い二人は、とてもゆっくりとしていて、だからいつも四人で悩みや夢を語り合っ た。ありすはいつも引っ込み事案で、それはどうやら親がれいぱーだったことが原因だと、 知り合ってしばらく後で聞かされた。本人もいつれいぱーになってしまうか判らないと、 少し疲れた微笑みを浮かべていたけれど、悩みすぎだよ、とみんなで慰めた。ありすはあ りすで、れいぱーじゃないから。でも、もしれいぱーになったら、ああ、歪んだお顔です っきりーするんだろうなあ、と、とても不安になったことを覚えている。 湖に行った時に、自分のお顔を歪めてみたけれど、とてもじゃないけれどれいぱーみた いな表情は作れなかった。きっとゆっくり出来ないのだろうと、子供ながら身震いしたも のだ。 野いちごさん、ぶどうさん、かきさん。 秋は実りがいっぱいだ。その分、可愛い子供達の笑顔も、いっぱいになる。おうちにの 中で、ささやかなパーティーを開く。子供達が生まれて、もう一年が過ぎるのだ。「みん な、春になったらもう立派なゆっくりだよ!」そう告げるまりさの、誇らしさの中にうれ しさと、巣立ちを控えた悲しさを感じ取れるのは、多分自分だけなのだ。 子供達が寝静まってからまりさに寄り添うと、まりさは声を立てずに泣き出してしまう のだろう。すーりすーりをして、ぺーろぺーろをして、次第に高ぶる心と体に身を任せて。 ああ、でも子供達が起きないかしら。呟いたからか、とかいはだから大丈夫だよ、と言う。 闇の中で綺麗に光る金色の髪の毛をはーぐはーぐしながら、くすぐったがるまりさの頬 をすーりすーりしながら、自慢のお帽子をぺーろぺーろしながら、体中が幸せな感覚に包 まれる。空を飛んでいるよりも、湖を自由に泳いでいるよりも、もっと素敵な浮き上がる 感覚に、次第に意識が闇の中に飲み込まれて。 ああまたあの夢が。ありすがまりさとれいむにのしかかっている夢。れいむを犯してい るはずなのに、顔の一部分だけがまりさになっている。奇妙な夢だなあと思ったらすぐに 現実に引き戻される。 お顔をすり合わせて、どんどん振動が強くなって、ゆ”っ、ゆ”っとうめき声なのか快 楽の叫びなのかが漏れ出でて、まりさはよだれを垂らしながらお顔を歪めて、二人一緒に すっきりー! 闇の中で、寝入ってしまったまりさの頭からツタが生えてくる。しゅるしゅると生える 何本ものツタに、新しい命が宿るのだ。まだ実は育っていないけれども、このおちびちゃ んたちもゆっくり出来る子に育ってくれるのだろう。次第に黒ずんで行くまりさを眺めな がらふと、幼なじみのありすを思い出した。 彼女はれいぱーになることを恐れていた。幸せなすっきりー! が出来るのだろうか。 幸せに、ゆっくり出来ているのだろうか。気にしても仕方がないことだ、自分に出来るこ とは何もないが、でも親友でいることは出来るのだ。 幸せを噛み締めて、ゆっくり元気に育っている我が子を見回す。暗くて見えないが、子供 達はみな幸せそうに寝入っている。 まりさに似て芯の通った姉のまりさ。彼女はきっと群れのリーダーとなるだろう。よく気 が利く真ん中のありす。きっととてもゆっくり出来るだろう。妹のれいむは少しどじだけれ ど、幼なじみのまりさと幸せな家庭を築くに違いない。みな綺麗なかちゅーしゃがとてもよ く似合う、素晴らしいゆっくりに育ってくれた。 もう、すぐに冬がくる。 まりさが作ってくれたこの巣は、とても頑丈な入り口で、ああでもいつの間にか壊れちゃ っているから直さないと。巣の中も汚れている。いくつかの黒い塊がところどころに、ああ、 あれはおちびちゃんだったっけ。開け放たれた入り口の近くにひときわ大きい塊が、とても ゆっくりした表情の、黒く歪んだまりさが。 まりさ。……まりさ。……。 …… ……しゃん…… ……おきゃあしゃん! …… 「もう、おきゃあしゃんってば! ありしゅはありしゅよ! まりしゃじゃにゃいわよ!」 「しょうよ、ときゃいはなありしゅはれいみゅじゃないわ!」 「しょれにおきゃあしゃんはれいみゅじゃにゃいよ! しっかりしてよね、ありしゅおきゃ あしゃん!」 おちびちゃん達はたまに判らないことを言う。 お母さんはありすじゃなくてれいむだよ。 ありすはれいぱーだよ。 親友を犯して殺して巣を乗っ取るれいぱーだよ。 だかられいむはれいむで、ありすじゃあないんだよ……。 れいむはれいむで、ありすじゃあ、ない、よ。 今宵も闇に、夢を見る。